育てる – 市民農園情報 リード

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自分で育てた野菜は、形は不細工でも味は最高!
谷保には多様な農園があります。区画割りの市民農園から体験型農園まで、自身のライフスタイルにあった農園がきっとあるはず。さあ畑で汗をかこう。

市民農園マップ

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買う ‐ 直売所マップ リード

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くにたち野菜を買うなら近所の直売所や八百屋さんで。
~直売所を楽しむ3カ条~
1)スーパーにはない珍しい野菜にもチャレンジしよう!
2)農家さんとの会話も楽しもう!
3)せっかくの採れたて野菜は、その日に食べよう!

直売所マップ

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くにたち野菜図鑑リード

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くにたち野菜の直売所は春夏秋冬、季節を感じられる場所。なんといっても季節にあった野菜が一番おいしい! そしてスーパーではあまり見かけない珍しい野菜もたくさんありますし、品種もさまざまなのが「くにたち野菜」の特徴です。たとえばカボチャやジャガイモでは、10以上もの品種が栽培されています。直売所ではぜひ品種にも注目してくださいね。そして、食べたことのないものにもどんどんチャレンジして、あなた好みの野菜を見つけてください。

魅力いっぱいの国立産キウイフルーツ

 国立は日本初のキウイフルーツ栽培地!

 

甘酸っぱい味と素敵な香り、そして手軽で扱いやすく、すっかりポピュラーな果物になったキウイフルーツ。今年も、国立産キウイフルーツの季節がやってきました。

 

くにたちカルタの「に」の札は、『日本初 キウイ栽培 発祥地』です。
その発祥の地は、国立市西2丁目の市街地の中にある、澤登晴雄氏が設立された「農業科学化研究所」の農地。
ここでキウイフルーツ栽培が行われたのは昭和49年でした。

 

今、その地は氏のお子さんたちに受け継がれ、摘み取りできるキウイフルーツの果樹園として市民に親しまれています。
果樹園の一角には、氏の筆になる「土にまなぶ」という文字が刻まれた石碑と、氏を称える顕彰碑が建てられています。
碑を見て歴史に思いを馳せながら、様々な種類のキウイフルーツを家族で摘み取るのも楽しいものです。
ちなみに、今年の開園は10月24日(金)からの約1か月間(雨天の日は中止)です。

 

このキウイフルーツ畑の1年を追ってみます。

 

澤登晴雄氏の顕彰碑

澤登晴雄氏の顕彰碑

 

キウイフルーツ栽培の1年

 

秋に収穫が終わると、キウイフルーツ畑の木々には枯葉が残り、休眠期を迎えます。
翌年の収穫のための作業は、真冬の休眠期に行われる剪定から始まります。

5月には蕾がつき、やがて開花の季節を迎えます。
キウイフルーツの花は、写真のように可憐なものです。
この時期、澤登さんの畑では、摘蕾(てきらい)、花粉散布と大忙し。
摘蕾は、果実を大きくするために蕾の数を少なくする作業。
開花すると、受粉を助ける花粉散布が行われます。
ニュージーランドから輸入された花粉が、手動式の噴霧器で散布されます。


収穫が終わったキウイフルーツの木々

収穫が終わったキウイフルーツの木々

 

剪定作業

剪定作業

 

花が終わると、もう小さな実がついています。
6月になると、まだ小さいが、まさしくキウイフルーツの形をした実が枝にぶら下がります。

この小さな実が、夏に大きくなり、秋の収穫を待つことになります。

 

キウイフルーツの花

キウイフルーツの花

花粉の噴霧器

花粉の噴霧器

 

秋の収穫

 

 澤登さんの農園では、10種類以上の品種が栽培されています。
澤登さんの畑で採れるキウイフルーツは店には出荷されていませんが、開園されているときに訪れると、緑色系では「ヘイワード」「グリンシル」「エルムウッド」「国立43号」など、黄色系では「紅芯」など、各品種の特徴を聞いて、摘み取りを行うことができます。
とくに「国立43号」は、キウイとサルナシを掛け合わせて、この地で作出されたオリジナルな品種。ぜひ摘み取って、賞味してみたいものです。

なお、自家製のジャムも買えます。 

 

まだ小さいキウイフルーツ

まだ小さいキウイフルーツ

全国に広まったキウイフルーツ栽培

 

 キウイフルーツは、澤登晴雄氏と関係のある方が各地で栽培を始め、いまでは四国各県、九州各県、和歌山県、石川県、静岡県、山梨県、千葉県など、全国で生産が行われるようになりました。
国立の地で最初に栽培されてからわずか40年ほどで、全国各地で栽培されるポピュラーな果物になったわけです。
私たちが果物店やスーパーで目にするキウイフルーツは、これらの産地や海外からの輸入物です。

でも、国立にも美味しいキウイフルーツが育てられていますよ!

 

盆栽の技術を生かしたキウイフルーツの栽培

 

佐伯彰さんは、谷保の久保地区にある自宅の庭でキウイフルーツを栽培し、販売されています。
佐伯さんのキウイフルーツは美味しいと評判が高く、季節が近づくと、販売の時期についての問い合わせがくるほどです。

 

佐伯さんの自宅を訪れると、自分で作った棚いっぱいにキウイフルーツの枝が誘引され、庭を覆っています。
そして棚の下には、いくつもの盆栽の鉢。
どうやら、佐伯さんのキウイフルーツ栽培のノウハウは、盆栽の技術に由来しているようです。

佐伯さんは盆栽を趣味とするサラリーマンでしたが、退職を機にキウイフルーツを中心に、デコポンやはるみ等、柑橘類の栽培を始めました。
またナスなどの野菜もつくりました。
それらは自家消費分を越えて採れるので、自宅にて1袋100円程で通りがかりの方に売り始めました。

 

現在、佐伯さんが栽培しているキウイフルーツは、赤や黄色系の品種で、「紅美人」「紅姫」「アップル」「ゴールデン」「レインボー」。
苗はホームセンターとインターネットで購入されたそうで、とくに人気が高いのは「紅姫」とのことです。

 

十分に根を伸ばすことができない狭い鉢で、大木を思わせるような枝ぶりに仕立てる盆栽。
佐伯さんは、ときには実のなる果物の盆栽も手掛けたそうです。
木全体を考えて太陽の光を当て、肥料やりに気を配るという盆栽で培った知識や技術を、佐伯さんはキウイフルーツの栽培にも生かしました。
太陽の光を最大に利用できるよう、キウイフルーツの枝を道路から見える庭いっぱいに誘引する棚を自分で組み立てたため、「キウイフルーツが実る家」として知られているそうです。
果物の盆栽では受粉が大切。
同じようにキウイフルーツの開花時には、受粉の作業に大忙しとのことです。
このように盆栽の技術を応用したことによって、1本の木で1,000個以上を収穫できるそうです。

 

鈴なりのキウイフルーツ(佐伯邸の庭)

鈴なりのキウイフルーツ(佐伯邸の庭)

魅力いっぱい!国立産キウイフルーツ

 

日本初のキウイフルーツ栽培地に広がるキウイフルーツ畑。
街中にあるその地で、歴史を感じながら、家族そろっての摘み取りを楽しみ、緑色系が中心のキウイフルーツを手にし、甘さと酸味を味わうことができます。

また、谷保の地を歩いていると、盆栽技術を生かして、自宅の庭いっぱいに枝を誘引して太陽を浴びさせ、肥料やりを工夫しながら育てた、甘さが売りの赤色、黄色系のキウイフルーツに出会うことができます。

 

国立産のキウイフルーツは魅力、楽しみがいっぱいです!

 

(古川)

くにたち梅ごよみ

 


「梅」といえば、梅干しに梅酢、梅酒、梅シロップにジャムなど、主に保存食として加工し、わたしたちの食卓に馴染みのある果実です。くにたちでも、時期が来ると地場産の「梅」や「しそ」が直売所に並び、「梅仕事(自家製の梅干しや梅酒などを作ること)」に関心のあるかたや、実際に「梅仕事」をしているかたも少なくないようです。そこで、今回の特集では、くにたちの梅について調べてみることにしました。

 

●くにたちといえば「梅」?

国立市の市章

国立市の市章

さっそくですが、国立市の「市の花」は梅、そして市章も「梅」をモチーフにしていることをご存知ですか。国立市の「国立市章について」のページには、そのいわれの文章に「国立市の谷保地区には、伝統ある谷保天満宮があり、その周辺には梅の古木が多いことで有名である。」とあります。 ちなみに、谷保天満宮の御祭神である菅原道真公の紋も「梅」。谷保は古くから梅にご縁のある地域だったのですね。

 

さらに、数字でその作付け面積を見てみましょう。2015年現在、市章が出来た1967年から比べると、くにたちの梅は収穫量や梅林の面積はかなり減ったとはいえ、作付け面積は、栗71a、柿68a、その他65a、梅46a、梨43aと、国立の名産品である梨と並ぶ面積となっています。このことからもくにたちは昔から、「梅」の恩恵を多く受けている地域であることが分かりますね。(※数字は、平成26年度実績/国立市役所生活環境部産業振興課農業振興係調べ)

 

 

●くにたち梅ごよみ

 

さて、実はこのくにたちあぐりッポのサイトでは、四季折々の「梅をたのしむ」情報を随時ご案内しています。「くにたちの梅ごよみ」として、一年を通じて、時期ごとの楽しみ方をピックアップしてまとめてみました。

○花と香りを楽しむ(1月下旬〜3月)
約350本の梅がある「谷保天満宮」の梅林では、1月下旬から3月にかけて、紅梅白梅が咲き、梅の甘酸っぱい香りに包まれます。2月末には境内で「梅祭り」も行われ、梅の花を愛でながら、春の訪れをお祝いします。

○梅もぎを楽しむ(5月末〜6月初旬)  
農家の梅林では梅もぎが始まる時期です。この時期になると農家が市民に「梅もぎ」体験をさせてくださったり、直売所にも採れたての梅や、梅干しにも使う赤じそが並びます。 あぐりッポのサイトでも随時、梅もぎのご案内をしていますので、興味のあるかたは、この時期、サイトをチェックしてくださいね。

 ○梅仕事をたのしむ(5月末〜7月土用) 
梅もぎで収穫した梅で自家製の梅酒やシロップ、梅干し作り。7月の土用の日を目安に、梅漬けを3日間天日干しにして、梅干しにします。今年(2015年)は「城山さとのいえ」でも、梅干しづくりのワークショップも行われました(関連記事はこちら)。梅仕事はちょっと面倒…。と思っているかたも、ワークショップに参加したり、誰かに教わって一緒に作ると、楽しく作れるかも。

 ○梅を味わう
昔から梅は、「梅はその日の難逃れ」「番茶梅干し医者いらず」などと、経験則としてもその効能の高さが語られています。特に、梅干しに多く含まれるクエン酸は、季節の変わり目や、暑さによる疲労防止、疲労回復に効果があるとされています。
市内では、くにたちの梅で作った自家製梅干しやジュース、スウィーツを提供する飲食店や洋菓子店もありますので、ぜひ探してみてくださいね。

 ○梅の木の剪定を手伝う(12月中旬)
くにたちの「梅の会」の方々が、農家の畑を回って剪定。翌年にまた梅の実がたくさん実るように、手入れをします。(関連記事はこちら

 

 

以上、 「くにたちの梅ごよみ」いかがでしたでしょうか。
実は、私もあぐりッポのサイトで「城山さとのいえ」の梅干しづくりのワークショップを知り、梅干しづくりを体験することができました。想像以上に簡単に出来たので、みなさまにもおためしいただきたく、下記に特別コラムとしてレシピをご紹介します。

[特別コラム]
はじめての「手づくり減塩梅干し」

2015年の6月13日に、城山さとのいえで「減塩梅干しづくりワークショップ」が開催されました((関連記事はこちら)。講師は、国立在住40年以上で長年毎年梅干しを20~30㎏漬けていらっしゃる杉田伸子さん(写真左)。梅干し作りは地域や家庭によって、作り方はいろいろあるそうですが、このワークショップで教わったレシピをもとに、さとのいえの職員、山縣朋子さんから、自宅で手軽にできる量での、梅干し作りを教えて頂きました。

 

 

<材料(梅1kg分)>
青梅…1kg
塩…100g(梅の重量の10%)
ホワイトリカー(35度)…1/2カップ
大きめのジップロック 1袋

※赤じその梅干しの場合
赤じそ(葉のみ)…200g
塩…大さじ1

 

 

 

<漬け方>
■白梅漬け

①梅を水洗いし、一晩水につけておく。
②梅をザルにあげ、水気をよく切る。ヘタを取り除く。
③清潔なジップロックに塩と梅を入れ、手であおって塩を全体にいきわたらせる。
さらにホワイトリカーを加え、上下を返す。
④余分な空気を抜いて、ジップロックをしっかり閉じ、上に重石をのせる。
(水などを入れたペットボトルで代用出来ます)
⑤翌日から1日2回くらい重石をとり、袋のままあおって上下を返し、全体に塩がなじむようにする
⑥4〜5日すると白梅酢があがってくる。★1
(白梅漬け=肌色の梅干しでよい場合は、ここまで)

 

 

■赤じそ漬け(真っ赤な香りの高い梅干しにしたい場合)


(写真はワークショップ時に撮影。レシピよりも多い分量で作業しています。)

⑦赤じその枝から葉の部分だけを摘み取り、水でよく洗い、水気をよく切る。
⑧ボウルに赤じそと塩を入れ、よくもむ。紫の汁はアクなのでよく絞って捨てる。
⑨⑥の★1の白梅酢だけを汲みとり⑧に加え、よくもむ。(赤梅酢になる)
⑩⑥のジップロックの梅の上に、⑨の赤じそと梅酢を全体にほぐしながらのせる。
⑪ジップロックをしっかり閉じ、再び重石をのせる。
⑫梅雨明け(土用の日頃)までこのまま漬ける。

 

■土用干し
梅雨があけて土用に入ったら、晴天が3日続くタイミングを見て、梅、赤じそを三日三晩干す。干し終わったら清潔な容器に移して保存する。
(減塩なので、今年度中に食べた方が良い)
梅酢は梅酢として別の容器に移し、料理などに調味料として利用出来る。
また、干して乾燥させた赤じそは、粉末にすれば「ゆかり」として、ごはんにふりかけたり、和え物に入れたり、お料理のトッピングなどに便利。

 

7月28日。土用干しを終え、はじめて自分で作った梅干しをお茶碗にのせて頂きました。太陽のパワーがこの一粒にギュギュっと詰まっているような、有り難い味がしました。来年はもっと上手においしくできるかな。(小林未央)

※料理撮影協力:やまもりカフェ 

城山さとのいえオープン!

平成27年3月22日(日)、城山さとのいえが無事にオープンいたしました!
オープンから早1週間が経ちました。

オープン当日はなんと1,800名もの方が城山さとのいえに来てくださいました。
たくさんのみなさまにお越しいただきありがとうございました。

 

 

オープニングセレモニーでは、佐藤市長の
「将来に向かって、農ある風景を残していきたい」という挨拶からはじまり、
市議会議長、農業委員会会長、JA東京みどり国立支店長、地元自治会代表のみなさまによってテープカットが行われました。

 

 

テープカットと同時に、地元三中のOB吹奏楽団のファンファーレと
谷保で採種されたひまわりの種を付けた風船を一斉に飛ばしました。
色とりどりの風船が青空に舞う様子はとても華やかで、わくわく感じる風景でした!

 

ステージでは国立三中OB吹奏楽団、天神太鼓、国立一小5年生有志、やほレンジャー、

Orange Blossom、坂下囃子連のみなさんに出演していただき、大変盛り上がりました!
城山さとのいえの中では、うみじさんによるフルート演奏もありました。

 

城山公園のすぐ近くの国立市立国立第一小学校の生徒有志による

谷保の情景をあらわした「ふるさとよ」の合唱は

歌詞を会場のみなさんにもお配りして、みんなで歌いました!

地元の農家の方たちによる野菜の直販や、地元の飲食店が並び、

くにたち野菜の加工品や自慢の料理が食べられました。
地元の野菜の美味しさを市民の方をはじめ、多くの方に知ってもらう良い機会となりました。

 

また、じゃがいもの植え付け体験にも大変たくさんの方にご参加いただきました。

 

 

ほかにもワラで縄を作って縄跳び体験や、小型馬との触れ合い、農業委員会によるもちつき、

一橋大学の学生が中心となっている農業サークルぽてとによる農ウォークなど
様々な体験イベントを開催しました。

一橋大学ラクロス部の皆さんも、ボランティアとして各催しでお手伝いしてくれました。

イベントに遊びに来てくれた方、協力してくださった方、ありがとうございました。

 

今後、城山さとのいえでは、「農あるまち くにたち」を次世代に引き継いでいくため
農と自然のある暮らしの豊かさを発信していきたいと思います。


国立市内の農家での収穫体験や、農業や自然をテーマにしたイベントを行っていきます。
市報やあぐりッポでぜひ情報をチェックお願いします!

春にむけて

市内では冬のお野菜が終わりに向かい、端境期(はざかいき)に突入しています。 そんな中、春や夏に向けて農家さんが準備していることを取材しに行ってきました。

 

[端境期]

端境期とは、野菜の収穫がしにくい時期のことで、ここくにたちにも年に2回おとずれます。冬の野菜がほぼ終わり、春の野菜が始まるまでの期間(2月~4月)と、夏の野菜がほぼ終わり、秋冬野菜が始まるまでの期間(8月~10月上旬)。
今はまさに前者の春の野菜が始まるまで、野菜たちは、ハウスの中で、暖かくなるのをこころ待ちにしているようでした。

 

[苗床づくり]

杉田幸男さん(中平地区)の家では、ハウスの中で苗床づくりをなさっています。電熱線が引かれ温められた藁の上に、土を入れ、種をまいたセルトレーを置き、発芽をさせている真っ只中。
撒いた種は、キャベツ、ブロッコリー、トマトなど夏の主力野菜たち。キャベツやブロッコリーと言っても、それぞれ3~4種類の品種が別々のトレーで育っていました。 電熱線に藁を敷き、温度を保っています。

 

サーモスタットという機器で、常に温度が一定(25℃くらい)になるようにしています。

 

紫キャベツの苗。ハウスの中ですくすくと育っていました。

 

キャベツとブロッコリーの育つハウス内。

 

アブラナ科のキャベツとブロッコリー。 ぱっと見ただけでは、どの双葉も同じような姿をしていて、どの苗がどの野菜かわからなくなってしまいそう。でも、そこにはちゃんと工夫がなされていて、セルトレーの端に品種の名前が書かれた札がさしてありました。 「今季のブロッコリーは1万株を植えるんだよ」と、トレーの苗を笑顔でみつめながら話してくれた幸男さん。

 

この寒い時期は、畑に直に種を撒いても発芽はせず、発芽をしたとしても霜にやられてしまうから、こうしてある程度の大きさに育ててから畑に植えるのだとおっしゃっていました。

 

これらの野菜たちは、3月10日以降に順次、畑に植え、5月半ばくらいから、市場と直売所に出荷されるとのこと。

 

 

 

ハウスの中は外の陽気よりも暖かく、その中ですくすく育つ野菜たちはとても愛おしく、たくましくも見えて、不思議とパワーをもらえました。

 

春が、待ち遠しいですね。

 

 

(文/写真:さとうひろき)

 

安心・安全のニンジンを目指す

ニンジンは食卓に彩を添える常用野菜

 

ニンジンはジャガイモ、玉ねぎと合わせ常用三大野菜のひとつとされ、栄養価の高い緑黄色野菜です。
きれいなオレンジ色が、サラダ、煮物、炒めものなどに色を添え、大きな皿のメインディッシュの付け合わせとして魚や肉を引き立たせます。
また、ジュースやスイーツの主材料にもなる万能の食材であるニンジン。

 

どの家庭にも買い置きがあり、どこの八百屋さん、スーパーでも見かけます。
ニンジンの大生産地は北海道や千葉、徳島、埼玉、茨城などですが、くにたちでも、ニンジンは作られています。
今回取り上げる佐伯渡さんの作るニンジンの魅力は、減・無農薬に努め、手間をかけて作られていることです。

 

 

ニンジンと人参

 

ニンジンは、仮名でも書きますが、漢字では「人参」。
ニンジンが「人参」と書かれるわけは遠い昔にさかのぼります。
奈良時代に朝鮮半島から、根に薬効のある薬用植物が伝えられました。
その薬用植物は“ウコギ科”に属し、枝分かれした根の格好が人に似ているため「人参」と言われました。

 

でも、私たちが食べているニンジンは、セリ科の植物で、原産地はアフガニスタン。
カロテンをたくさん含んでいることで知られています。
ニンジンの英語名は“carrot”ですが、カロテンはこの英語名に由来しています。
かつては人参と記された薬用植物は、いまでは「朝鮮人参」や「高麗人参」とされています。

 

 

佐伯渡さんのニンジン

 

ニンジンは年2回栽培されますが、いまや全国で生産され、各地域の気候に合わせて収穫されるので、日本全体では周年栽培されているともいえます。
秋の終わりから冬に出回る冬ニンジンは関東地方でもたくさん栽培されます。
谷保の農家さんも、この時期に栽培し、販売しています。

 

秋・冬ニンジンの収穫が間近になった10月に、谷保のママ下の近くでニンジンを栽培されている、佐伯渡さんを訪れました。

 

佐伯さんの畑では、大根やカリフラワーなども栽培されていて、その一角がニンジン畑です。
今年作られているのは4品種で、写真の右から順に「向陽」「金美」「金時ニンジン」「ベーターリッチ」です。

 

写真1:佐伯さんが今年作ったニンジン各種

 

 

この写真のニンジンは生育中で、まだ十分に太くなっていません。

 

「向陽」は、“ニンジン”といえばだれもがイメージする、もっともポピュラーな品種。
「金美」は黄色が鮮やかでが、スティックとして食卓を飾るのにふさわしい種類です。
「金時ニンジン」は東洋系で赤い色が強く、長く伸びる京野菜のひとつ。
「ベーターリッチ」は、ニンジンの栄養素を代表するベーターカロテンが豊富な品種です。

 

ニンジンはまず根が伸び、その後で太るそうです。
収穫期の12月には、写真2のように太ったものになります。
この写真は、12月初めに直売所に並べられるときの、丸々と育った「向陽」です。

 

 

写真2:大きくなって店頭に並べられるニンジン

 

 佐伯渡さんのこだわり

 

佐伯さんは、できるだけ農薬を使わない努力をされています。
ニンジン畑にしゃがんでいる佐伯さんを撮った後、ニンジン畑を写そうとしたら、とまどわれてしまいました。

 


理由は、農薬を使用しないため、虫に食われるなどして草丈が揃っておらず、ニンジン畑を被写体とすると貧弱な畑になるからでした。
次々に生えてくる雑草取り。
ニンジンを好むアゲハチョウの幼虫の捕獲。
もう何十匹も手で駆除したが、それでも一部は食われてしまうし、農薬をかけないので、葉の一部がどうしても「うどんこ病」に罹って貧弱に見えてしまうなど、病虫害との戦いは話が尽きません。

 

ニンジン畑の脇にある大根畑には、「よとう虫」の雌のフェロモンを入れた容器がぶら下がっていました。
雌のフェロモンに誘われて容器に入った雄は逃げ出せず、雄を失った雌は産卵しないので幼虫が生まれないという仕組みです。
農薬なしの「よとう虫」対策。
これこそ、農薬に頼らずによい野菜を作ろうという佐伯さんの意気込みを物語っています。

 

病虫害という自然と戦って、見事な野菜の生産を目指す佐伯さんには、もうひとつの大敵がいます。
収穫直前の野菜を盗む人間です。
手間を掛け、丹精を込めて育てた野菜が盗まれてしまう無念さを想うと、畑からの盗難が無くなることを念じざるを得ません。

 

 

写真3:ニンジン畑を前にした佐伯渡さん

 

 

長旅を経て日本に伝来したニンジン

 

私たちが食べている“セリ科”の植物、ニンジンの原産地はアフガニスタン。
原産地では、黄色、黒色、紅紫、赤紫など様々な色のニンジンがありました。
この“セリ科”の野菜は品種改良を加えられながら、2つのルートを通り、はるばる日本に伝えられました。

 

1つは中国で品種改良されて16、17世紀のころに日本に伝えられた東洋系のニンジンで、今も作られているのは、赤色が強く「金時ニンジン」という名の、京野菜として知られているニンジンです。
写真1では、左から2本目の赤色が強く、細長いニンジンがそれです。

 

もう1つのルートは、オランダ、フランスで品種改良され、アメリカを通って19世紀に日本に入ってきた西洋系のニンジンで、オレンジ色が主です。
写真1では、右側の2本と、最も左の1本がそれです。
一番右のニンジンは「向陽」という品種で、もっとも代表的なニンジンです。
私たちが、ニンジンの色として思い浮かべるオレンジ色は、「向陽」の色です。

 

八百屋さんやスーパーで、オレンジ色のニンジンの隣に紫赤や黄色のニンジンが並んでいるのを見かけます。
オレンジ色のニンジンに見慣れた私たちは、おや、珍しいニンジンがあるな、最近、品種改良されたのかなと思いがちです。
でも、原産地のアフガニスタンでは、ニンジンは黄色や赤紫、黒色が優勢だったようで、原種に近い色を珍しがっているのかもしれません。

 

変わった色のニンジンを見たら、ニンジンがたどってきた遠い道のりに思いを馳せるのもよいでしょう。

 

<直売情報>

今回取り上げた、安全、安心にこだわる佐伯渡さんのニンジンは、次のところで販売されています。

 

・個人の直売所(直売所マップNo.1)

・.東京みどり農協/富士見台支店駐車場(直売所マップNo.11)

・.北市民プラザ駐車場(直売所マップNo.15)

・国立野菜の販売店「しゅんかしゅんか」(直売所マップNo.16)

 

直売所マップはこちら

 

 

(古川)

人とつながる農業

15代続く杉田さんの農園を訪ねる

 

国立市古民家からそう遠くないところにある、杉田和男さん(中平地区)の農園。

初めて訪ねたのは昨年の今頃でしたが、たくさんの柿の木に、ゆず、レモン、みかん、りんごなど様々な果樹が植えられて、さながら果樹園のよう。

ぜひ一度あぐりッポでご紹介したいと思ったのが、今回の特集記事を組むきっかけになりました。

 

杉田農園の果樹

 

杉田農園に植えてある果樹は、レモン、みかん、シークワーサー、すだち、夏みかん、金柑、本ゆず、ブルーベリー、ブラックベリー、ゆすらうめ、梅、かりん、すぐり、ひめりんご、りんご、キウイ、柿。
柿は本数も多く、甘柿、渋柿、そして珍しい黒い柿というのもあります。
レモンやみかんは、以前あったりんご農園から移植してきたもの。
農園の手前には竹もあり、春にはタケノコが取れるそう。

 

農園の真ん中にある大きなつる性の木は、キウイフルーツ。
なんと30年前から育てているのだそうです。
「キウイフルーツは、虫がつきにくいので、育てやすいんだよ」と杉田さん。

 

杉田さんのお父様が植えられたものもあるし、杉田さんが植えたものもあります。
どうしてこんなにたくさんの種類が、と聞くと、「いろいろあると面白いからね」、とひとこと。

 

「まあるいレモンもあるよ。めずらしいでしょう。」と杉田さん。

 

百目という柿。渋い実と甘い実があります。おしりの部分が黒くなっているのが甘い実なんだそうです。

 

杉田さんとりんご農園

 

 杉田さんは、昭和56年頃から10年ほど谷保でりんごを栽培していました。
「市の農産係(当時)の野本さんの勧めだった。育てていたのは王林、つがる、フジの3種類で、あわせて110本ほどだよ」と杉田さん。
その当時のことが新聞記事になっていると、奥様の伸子さんが、その記事を見せてくださいました。

 

 記事によると、当時政府の減反政策に沿った水田転作の一環として、昭和56年から国立市の農家がりんご栽培に取り組んでいました。
多摩地区では東大和、稲城、八王子に続いて4番目ですが、水田転作でりんご栽培に成功したのは国立市の杉田さんの農園がはじめて。
前年は、ぽつりぽつりと実をつけたものの、降ひょうでほとんど全滅したそうですが、記事が書かれた昭和59年は、リンゴは1本に40個も実をつけ、直売所でも販売。
その年の杉田さんやご家族は大喜びだったのではないでしょうか。

 

リンゴの栽培は虫がつきやすく、剪定も大変だったとのこと。「こうやって枝を引っぱると花目がつくんだよ」、と昨年買ってきて植えたリンゴの木で見せてくれる杉田さん。

 

市民が農業に親しめるように

 

果樹園の外にはサツマイモが植えてあり、毎年国立市内の幼稚園の生徒がイモ掘りにやってきます。
40年も続いている行事だというから驚きですよね。
子どもたちが来る前に、杉田さんは抜きやすいようにツルを少し引き上げておくのだそうです。
農園の中ほどにあるテーブルには、イモ掘りにきた子どもたちの写真が大きく飾ってありました。
“ありがとう”という子どもたちの手書きメッセージ付きで。

 

 

 

 杉田さんはまた、近くの農地で15年前から農業塾も開講しています。
最初は市の事業だったものが5年後に廃止になった際、続けたい方もいたこともあり、個人的に継続されているとのこと。
毎週土曜日9時から11時。現在の会員は20名ほど。
作業をするのは会員ですが、肥料、苗、種の準備はすべて杉田さん。
作った野菜を各自が持って帰れるよう、植えつけ方も考えるのだそうです。

 

農業というと、野菜を作って売るだけだと単純に考えてしまいそうになりますが、じつは人と人とのつながりを育む産業なんだなとあらためて感じました。
みかんを買って帰ろうとした私たちに、「40年前から値段は上げてないからね~」と杉田さんの一声。
40年変わらない場所があるというのは、訪れる人にとってもありがたいことなのだと思います。

 

(文:むらかみくみ 写真:ながむらゆうこ)

 

たわわになった杉田農園の柿!

 

くにたち産のブドウを買えるのはここだけ!

国立市内で、美味しいブドウが採れるのをご存知ですか?育てているのは多摩川葡萄園さん。遠藤利光(としみつ)さん、恵美子さんの直売所(第一小学校北側)には8月下旬から、9月中旬頃まで国立で唯一ブドウが並びます。
それでは、まず、歴史の深いブドウについてみていきましょう。

ブドウ棚の下で。写真左:遠藤利光さん 写真右:遠藤恵美子さん

ブドウについて

僕らの知っているブドウは、ブドウ科ブドウ属に属するもの。ブドウ栽培の歴史は古く、およそ5,000年も前から。原産地は中近東で、品種の数としては、10,000種類以上のブドウが存在していると言われ、世界中の広い地域でもっとも多くの収穫量があると言われています。世界の生産量の約8割がワインの原料として栽培されているのに対し、日本では栽培されたものの約9割が生食用。ここ日本では50〜60種類ほどが各地で栽培されていますが、現在でも品種改良が重ねられ、新しい品種が次々と生まれています。

栽培のはじまりと、品種について

遠藤さんが、ブドウの栽培を始めたのは、2001年ころ。谷保は昔から水田地帯で水はけのよい土地だから、ブドウづくりに適しているのではないか?と利光さんは思い立ち、夫婦で育てはじめたのがきっかけ。周りで育てている人がおらず、教えてくれる人がいないので大変だった!と、はじめたばかりの頃のことを振り返って恵美子さんが教えてくれました。全て独学で知識を蓄え、1年1年チャレンジを重ねてきたお二人。今年、夫婦で山梨に赴き、ブドウ農家さんと知り合い、お話をする中で、「目からウロコ」な知恵をたくさん得てきたそう。
「今まで、摘粒や袋掛けのタイミングやジベ処理(※)など、独学でやってきたのでやり方などで思い違いをしてきたこともあって・・・、もっと早く会いにいけばよかったわ!」と、恵美子さんは笑顔でおっしゃっていました。

※種無しブドウを生産するために行う処理のこと。
袋掛けされたたくさんのブドウたち。
品種は、巨峰と、ロザリオビアンコからのスタートでした。今、育てている品種は、「藤稔(ふじみのり)/果皮が紫黒色で大粒、糖度が高く酸味、渋みが少ない」、「ゴルビー/果皮がワインレッドで大粒、ジューシーで糖度が高く、甘みが強い」、「多摩ゆたか/果皮が黄色という珍しいブドウ、ジューシーで甘く、全国でも栽培しているところが少ない品種」という3種類。品種選定の基準は、大粒の実で、糖度が17度以上のものを選んでいます。その他、この土地に合うブドウはどれか品種違いの木をいくつか育てながら、試行錯誤しているのだそう。

栽培する上でのこだわりは、化学肥料は一切使わないことと、ぶどうを育てている棚の高さを変える(夫婦での作業の負担軽減するため) などの工夫もしているとのこと。

今季、袋掛けしたのは、約3,000(!!)。
天候などにより、全てが実るわけではないですが、例年に比べ、今年のこの暑さからか、すごくたくさん実っているとのこと。ただ、いつもなら一斉に色づくのですが、今年は例年より色づきが遅いのだそう。昼夜の温度差があまりないことが原因なのではないか?とのことで、この数日、涼しい日が続き一斉に色づいてきたと、恵美子さん。

今年の販売は、遠藤さんの直売所で、8月24日(日)から開始されました。9月中旬ころまで販売は続きます。

ぶどうの根は、浅く広がるように伸びているのだそう。
「(そうした理由から、)雨が一気に降り注ぐと、実がこんなふうに割れてしまうんだよ」
と、利光さんが教えてくれました。

1房はグラムごとにお値段が違います。お好みのサイズをお選びください。
食べきりパックが並んでいるのも嬉しいですね!
ぶどう畑なので上にばかり気をとられていましたが、下をみてみるとそこには、ルバーブがわさわさと立派に育っていました。
茎の部分は赤く色づいています。
こちらのルバーブは9月末頃に直売所に並ぶそうです。
ぜひ、地元のルバーブでジャムづくりにチャレンジしてみてください。
この他にも、かぶ、赤かぶ、白菜、オレンジカリフラワーがこの秋のオススメ野菜だそうです。
谷保散策のついでに、直売所にぜひお立ち寄りください。
国立市立第一小学校北側。
黒色の立派な門にのぼりが。

[多摩川葡萄園] 国立市谷保6102
[連絡先]☎080-2012-5040
[主品目]ブドウ(8月下旬〜9月中旬)、旬の野菜、とうもろこし(6月中旬〜、2週間くらい)
[OPEN]9:00くらい 〜 売り切れまで
[その他]駐車場なし


[あとがき]
地元産のブドウが食べられるなんて!と、知ったとき、とっても大喜びして買わせていただいたのは一昨年くらい前の話。「満遍なく色づいてくれたらよいけれど、収穫してみて、まだ色づいていないものとかを発見すると落ち込んじゃうの。」と、取材時、恵美子さんがおっしゃった一言。僕はいまのままでも充分ジューシーでおいしいと感じていたので、まだまだ美味しくなるの?と、さらに嬉しくなってしまいました。

今季もまだあと2週間は直売所に並ぶそうですが、また来年のこの時期も楽しみでなりません。こうして、地元のものが食べられること、しあわせに感じている僕にとって、育ててくださる農家のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいなのです。そして、こうして、発信できる悦びも感じています。みなさんも、ぜひ、この機会に味わってみてはいかがですか?

(文と写真:さとうひろき)

ナス、水、田んぼのやさしい関係

かつて「谷保ナス」として有名だったように、谷保では昔からナスが盛んに作られていました。江戸時代には、近隣の宿場町に売りに出されていたという記録も残っており、農家の大事な収入源だったようです。保水性のいい土壌が、水と養分を多く必要とするナス作りに向いていたようです。

国立市でナスを栽培されている農家は大勢いらっしゃいますが、今回は少し変わった栽培方法をされている佐伯達哉さん(四軒在家地区)の畑を訪ねてきました。

 

 

なぜナス畑の隣は田んぼなの?

 

 

 

国立市泉にある佐伯さんの畑では、ナスと田んぼが隣り合っています。しかもその植え付け場所は、毎年交互に入れ替えられています。
今年米を作った場所は、来年はナス畑になるという具合で、これは先代のお父様が始められた栽培方法。ナスは水の好きな野菜ですが、この方法では隣の田んぼから水を引いてくることができるので、水不足に悩まされることはありません。
また、田んぼの年には土に水がはいるので、センチュウなどの害虫を駆除することができ、連作の害も軽減されるのだそうです。

 

「ただし、ナスによい作用をする養分もすべて無くなってしまいますけどね」と佐伯さん。
養分がなくなってしまうと大変じゃないですか!と思いきや、「土は水を入れることで養分も流れていったんゼロになるでしょう。だから入れる肥料はプラス分だけ考えればいい。昨年の肥料がどのくらい残っているかなど余計なことを考える必要がないんです」と涼しい顔で説明してくださいました。

 

佐伯さんが作るナスはなんと700本!

 

佐伯さんの畑で栽培しているナスは現在10種類、合計700本にもなります。そのほとんどが千両ナスですが、3年前からは“とげなし千両”という品種に。収穫の時にヘタのとげが手に刺さらない“農家にもやさしいナス”なのです。千両ナス以外には、白丸、米ナス、賀茂ナス、水ナス、しまむらさき、ロッサビアンコ、フローレンスパープル、白長ナス、タイナス。
しまむらさきは、今年の新種。ロッサビアンコやフローレンスパープルは見た目が美しいので、料理人からの注文も多いといいます。

 

 

※今年の新種、しまむらさき。

 

 佐伯さんがお父様から畑を継いだ時、周りの方からは1種類のナスを作るのがいいと助言を受けました。「でも自分が食べたいと思うものはやっぱり作ってみたいよね」と毎年新しいものにチャレンジされています。
そして疑問に思ったら調べるのが佐伯さんの基本。旅行ついでに、水ナスの栽培を本場京都まで視察に行ったこともあるそうです。

 

 

ナスの育て方へのこだわり

 

ナスを栽培するにあたって、何に気をつけているかをお伺いしました。

まず、苗が小さいうちに根を張らすこと。ある程度の大きさになるまでは、トンネルの中で育てます。
そして実がなり始めた最初の頃には、実を大きくしないこと。枝が実の重さで傷んでしまうのだそうです。
そして言うまでもなく、肥料と水を切らさないこと。ナスは肥料喰い。佐伯さんの畑では、牛糞と田んぼの米からとれた糠を混ぜて発酵させたものを肥料にしています。「千両ナスが畑の端から端までどれもおなじようにちゃんと育った時は、嬉しいですね。肥料が均等に入ったということですから」と佐伯さん。

みずみずしい賀茂ナス


そして、最後に気をつけているのが、花弁をできるだけ取り除くという作業。花弁が残ってしまうと、腐って虫がついたり病気のもとになってしまうのだそう。そして、早めに除去することでいい形のナスになります。佐伯さんが師匠と仰ぐ方の場合は、現役の頃、ひとりで1200本もの千両ナスの花弁を丁寧に取り除いていたとか。昔の人にはとてもかなわないね、自分はまだまだ及ばない、とおっしゃる佐伯さんです。

 

先日国立市にも降った大粒のヒョウ。大した被害はなかったものの、ナスの葉には穴が開きました(写真)。これから台風のシーズン。牛糞で育てたナスは2メートル近くの高さになります。もし風でナスが倒れたら大変ですね、と聞いたところ、「買う方のほうが、野菜の値段が上がって大変ですからね」と、やさしい言葉が佐伯さんから返ってきました。

 

 

   
 ヒョウで穴が開いたナスの葉  花弁はこうやって取り除いて・・・

 

佐伯さんの茄子も甘くて、やさしい味がします。

 

お求めは、以下の直売所にて。

 

こうやってつかめる鋏なんだよ~と、笑顔が素敵な佐伯さん。
(写真 ながむらゆうこ : 文 むらかみくみ)

 

トウモロコシ畑へようこそ!

 トウモロコシ畑へようこそ!

夏が旬のトウモロコシ。市内では今まさに収穫時期を迎えています。
栄養満点、子供のおやつに、お弁当の彩りにも大活躍。焼きトウモロコシは夏祭りに欠かせません。
今回は、くにたちのおいしいトウモロコシを求めて、市内の畑を巡ってきました。

 

トウモロコシは鮮度が命

 

 

ピクニックコーン

こちらは生食も可能なピクニックコーン。採れたてプリップリです。

 

初めて採れたてのトウモロコシを食べた時のこと。その美味しさにびっくり!どうして採れたてはあんなに美味しいのでしょう。

それには理由があるんです。トウモロコシは収穫された時点からどんどん糖分がでんぷん質に変わっていき、甘みが薄れていきます。何と収穫後1日で甘さが半減してしまうという、日持ちしない野菜。だから採れたては格別に美味しいのですね。

 

採れたてトウモロコシが食べたい!そう思いませんか。

地元の直売所に行ってみましょう。直売所では旬の採れたて野菜が手に入ります。トウモロコシが並んでいたら迷わず買ってみてください。

 

達人は84歳

 

佐伯英夫さん

さくら通り沿いの畑にて。佐伯英夫さん(84)

 

さくら通り沿いの直売所「矢川園」の佐伯英夫さん(84)。

トウモロコシを作って20年、毎年1万2千~3千株のトウモロコシを1人で管理されています。

佐伯英夫さんが育てるのは「ゴールドラッシュ」という品種。房が大きく甘みが強いのが特徴です。

(ふだん私たちが普段口にするトウモロコシは‘甘味種‘といいます。「ゴールドラッシュ」はじめ「ピーターコーン」や「みらい」など様々な品種があります。その他ポップコーン用のトウモロコシは‘爆裂種‘、家畜の飼料には‘馬菌種‘など、トウモロコシにも様々な種類があるのですね。)

 

毎年6月下旬から7月上旬にかけて収穫できるよう、作付けは3月の末から数回に分けて行われます。ただ今年は霜の影響を受けてしまい、収穫が7月初旬からとなりました。台風被害で収穫前のトウモロコシがほとんど倒れてしまった年もあるそうです。

 

収穫作業

早朝7時。すでに数度目の収穫作業です。採れ頃のトウモロコシを素早く見分けながら、次々とコンテナへ入れていきます。

 

天候と向き合いながら大事に育てられたトウモロコシ。収穫作業も佐伯英夫さんおひとりで行います。収穫時期が来ると、「朝食前に収穫して、朝食後に売り始める」のだそう。

早朝から収穫されたトウモロコシは、午前7時頃から、さくら通り沿いの直売所「矢川園」(直売所リスト7番)で販売されます。直売所では早朝から人の波が途切れることがありません。販売の手伝いには親族の方が参加、佐伯英夫さんはトウモロコシを切らさぬよう、販売している間にも畑へ出向き、次々と収穫しては直売所に並べていきます。

御年84歳とは思えない力強い作業に、同行した私は目をみはるばかりでした。

※矢川園のトウモロコシ。今後は台風の様子を見ながらの販売となります※

 

 まるでくだもの

 

梅雨の晴れ間を利用して、中屋農園さんにお邪魔しました。

中屋農園さんは、「そうだ、谷保へいこうvol.2~中平ほうれん草王国」にも登場していただきました。冬はほうれん草畑だった農園が夏は一転、一面のトウモロコシ畑に。

農園では毎年6月下旬からトウモロコシ「ピクニックコーン」のもぎ取り・販売を行っています。

「ピクニックコーン」とは、メロン並みの糖度を誇る小ぶりのトウモロコシ。
今年ももぎ取りに来た家族連れや、親類への贈り物にと買って行かれる方々で賑わっていました。

中屋農園さんのピクニックコーンの販売状況は、Facebookでご確認いただけます。

http://www.facebook.com/nakayacorn/

 

 

中屋農園もぎ取り

中屋農園さんで収穫をする子供の様子。真剣そのもの。

中屋農園

中屋農園。今年は7月10日までを目安にもぎ取り、販売をしています。

 

 

あぐりッポでチェックしよう!

 

このトウモロコシも、くにたち産

このトウモロコシも、くにたち産

 

今回ご紹介した「矢川園」さんと「中屋農園」さんのトウモロコシ販売はまもなく終了します。

しかし!市内の直売所ではまだまだ採れたてトウモロコシが売られていますよ。あぐりッポでは、この夏市内のトウモロコシ販売情報を随時配信していきます。どうぞみなさんこまめにチェックしてみてください。

 

(つじ ゆう)

田植シーズン


6月に入ると、くにたちの各所では田植が始まります。
水路や田んぼは水で満たされ
そして、大地も新たな命で満たされます。

そんな谷保の梅雨の晴れ間が愛おしいです。

魅力いっぱい!春のブロッコリー

 

春のブロッコリーは今が旬!

もっともポピュラーな野菜のひとつであるブロッコリー。国立では、いまが、春のブロッコリー出荷の最盛期です。朝、収穫したばかりのブロッコリーをトラックに積む作業中の杉田幸男さん、幹男さん親子(中平地区)に、畑でお話を伺いました。

 

ブロッコリー畑の杉田幸男さん(奥)と、息子の幹男さん

ブロッコリー畑の杉田幸男さん(奥)と、息子の幹男さん

 

毎日のように目にするブロッコリーはアブラナ科の野菜で、キャベツの仲間です。
ブロッコリーの和名は「ミドリハナヤサイ」あるいは「メハナヤサイ」だそうです。でも、『今朝、ミドリハナヤサイをサラダで食べたよ』とか、『メハナヤサイにマヨネーズをつけて食べるとおいしいよね』などといわれたら、『どんな野菜か、見たい』と言ってしまいそうです。ブロッコリーは、英語名がすっかり定着した野菜の代表的なもののひとつです。

 

キャベツが春と秋に収穫されるように、ブロッコリーも春と秋にとれます。秋のブロッコリーは寒さのために色が変わることがありますが、春のブロッコリーはきれいな緑色です。和名の「ミドリハナヤサイ」は、春ブロッコリーを見て付けたのかなと思ってしまいたくなります。

 

緑鮮やかな春ブロッコリー

緑鮮やかな春ブロッコリー

 国立では、春のブロッコリーの収穫は5月10日頃からの1か月間です。気温が上昇してくるので成長が早く、毎日、朝に収穫する必要があるそうで、春ブロッコリーを作っている農家さんは大忙しです。
杉田さんは、短期間の収穫時期の中でも収穫期が分散するように、いくつかの品種を植えつけ、新鮮なブロッコリーを提供する努力をされています。現在、杉田さんが生産されているブロッコリーの品種は、「緑帝」「おはよう」「グランドーム」などです。

 

ブロッコリーとカリフラワー

 

ブロッコリーと同じように、頂花蕾(つぼみ)のかたまりを食べる野菜に、白い色のカリフラワーがあります。収穫後のカリフラワーは変色しませんが、白い、きれいなカリフラワーにするには、株の周りに広がった葉で中心部を覆ってやるという手間を掛ける必要があります。
一方、ブロッコリーは、つぼみを葉で覆う必要がありませんが、収穫後に早く低温保存しないと変色してしまいます。

ブロッコリーの仲間のカリフラワー

ブロッコリーの仲間のカリフラワー

カリフラワーはブロッコリーの変種として登場した野菜ですが、まだ日本は低温保存の技術がない時代だったため、変色しないカリフラワーの方が先に普及しました。今では、低温流通技術の発達や家庭での冷蔵庫の普及の結果、ブロッコリーの方がはるかに多く生産され、消費されるようになっています。

 

杉田さんの家でも、幸男さんが最初に手掛けたのはカリフラワーの栽培だったそうです。今では、息子の幹男さんが引き継いでブロッコリーを主に生産していますので、杉田家では、親子二代で、カリフラワーからブロッコリーへと進化を遂げてきたことになります。現在、国立では、春のブロッコリーを多く出荷している農家さんはわずかです。

 

最近ではカリフラワーの変種としてロマネスコが加わり、注目を集めています。杉田さんの畑では、ロマネスコも育っていました。

カリフラワーの変種 ロマネスコ

カリフラワーの変種 ロマネスコ

 くにたち産の春ブロッコリーの魅力

 

国内外の大生産地で生産されるブロッコリーを消費者に届けるには、低温保存と低温流通が必要ですが、地産地消されるくにたち産の春ブロッコリーは、朝の収穫が終わるとすぐに出荷され、生産者から消費者に素早く短い時間で届けられます。
「ミドリハナヤサイ」という日本名にピッタリの、新鮮で、きれいな緑色の春のブロッコリー。魅力いっぱいです!

 

出荷を待つブロッコリー

出荷を待つブロッコリー

 

消費者との対話

 

杉田さんの出荷先は、多摩青果市場と、地元野菜の直売店「しゅんかしゅんか」です。量的には市場に出す方が多くなりますが、杉田さんは、市場への出荷と同じように、地元野菜の店への出荷を大切にされています。少しでもおいしいブロッコリーの生産を目指して、つねに新しい品種に取り組み、消費者の反応を知るためには、地元野菜の店が大切な情報源になっています。

 

“地場野菜にこだわる店を通して、消費者との対話を続けるブロッコリー作りを目指す”

ここに杉田さん親子の意気込みを見ることができます。

 

農家さんのブロッコリー料理

ブロッコリーは、どこの家庭でも当たり前のようによく食べられている、ポピュラーな野菜のひとつです。ほとんど毎日のように食卓に上がるブロッコリーを、農家さんはどのように調理して食べているのでしょうか。 杉田さん親子、それに幸男さんの奥様に、もっとも好きなブロッコリーの食べ方を聞いてみました。

 

[幸男さん]
なんといっても天ぷらだね。天ぷらにつきるよ。

 

[奥  様]
茹でたブロッコリーにかつおぶしとしらすを混ぜ、ドレッシングで頂くのが最高!

 

[幹男さん]
きわめてシンプル、平凡に、茹でたブロッコリーにマヨネーズをつけて食べるのが一番!

 

さて、みなさんは、どんな食べ方がお好きですか?
食卓に、お弁当に、大活躍のブロッコリー。 ぜひ、地元の新鮮なブロッコリーをお試しください。

(文と写真:古川浩一 写真:齊藤隼人)

杉田幸男さん・幹男さんのブロッコリーは、「くにたち野菜 しゅんかしゅんか」であつかっています。
[営業]年中無休/10時30分~19時30分
[住所]国立市中1-1-1
[電話]042-505-7315

佐伯さん一家のすこやか野菜

朝日を浴びた直売所の野菜

行列ができる直売所

午前7時。さくら通り、第二中学校の向かい側にあるログハウスのかわいい直売所。
毎週土曜日、佐伯さん一家の直売所には、朝日をキラキラ浴びて野菜が並びます。
早い人は開店前から並んで、開店と同時にたくさんの人だかりができ、入れ替わり立ち替わりお客様がやってきて、次々に野菜が売れて行きます。
一人当たりのお買い物の所要時間は3分くらいでしょうか。犬のお散歩の途中、朝の公園での体操の帰り、遠方から車で来る人、20年来の常連さん、中には、まとめ買いする飲食店の人も。お店は売り切れご免で、野菜が無くなり次第閉店です。

 

散歩の途中にお買い物

週に一度のおたのしみ

この日、店頭に並んでいた野菜は、のらぼう、小松菜の菜花、九条ネギ、大根菜、ほうれん草、高菜、ブロッコリのわき芽、かぶ、八頭の子と9品目。直売所の裏にある畑で採れた旬の野菜が、週替わりで登場します。
佐伯さんの畑では、店頭に並ぶ野菜の数が多くなるように、また、できるだけ長期間並べることができるように、植え付けの時期をかえたり、同じ野菜でもマルチやトンネルを使って収穫期をずらしているのだそうです。
例えば、「ネギ」は「ネギ」でも、異なる品種のものを次々楽しめるように、収穫期の異なる品種を育てます。一条ネギ、深谷ネギ、九条ネギ、分けネギ。これらは種まきの時期は同じでも収穫期がずれるので、週代わりで異なる品種のネギが店頭に並ぶという訳です。
お客様がみなさん口を揃えて「週に一度、ここで旬の野菜を買うのを楽しみにしてるんです」とおっしゃるのも、うなずけます。

佐伯さん一家 写真左から、息子の昭さん、お母様のトシ江さん。娘の恵子さんと旦那様の直喜さん。お父様の昭二さんが体調を崩された2年前から、昭さんと恵子さんご夫婦がお手伝いしている。

 

気持ちのいい人たち

「野菜なら近くのスーパーでも毎日売ってるのに、どうして週に一度だけの佐伯さんの直売所に、わざわざ早起きして野菜を買いにくるのですか?」とお客様にお聞きしたら、
「だって、安くて新鮮で安心でしょう。地産地消っていうのかな。なんといっても(佐伯さんのご家族が)気持ちのいい人たちだし、野菜のおいしさが違いますよ」と返ってきました。
たしかに、野菜は前日の夕方収穫したものが翌朝商品として店頭に並ぶから、採れたてで新鮮。販売中も店頭の様子を見ながら、裏の畑から追加で収穫して補充しています。そして、佐伯さん一家は、みなさん明るく朗らかで、特に恵子さんとお客様の会話はテンポがよくて軽快。お客様のおっしゃるように、直売所の活気のある空気感が清々しく気持ちがいいのです。
「お久しぶり、元気?」「この野菜は何?」「この前買ったのらぼう、美味しかっでしょう?どうやって食べた?」

恵子さん曰く、「直売所はお客様との情報交換の場ね。特に私はお料理が好きだから、おいしいレシピをお客様に教えてあげるようにしてるのよ。それも3分でできるような簡単なものね。だって、難しいレシピじゃ覚えて帰れないし、作りたくなくなっちゃうでしょう。わたしのほうもお客様にどうやって食べるのか教えて頂くこともあるし、楽しいのよ。」とのこと。

恵子さんから教わったブロッコリのわき芽のゴマ和え。簡単手間無しでおいしい! 恵子さんから教わったブロッコリのわき芽のゴマ和え。簡単手間無しでおいしい!

 

恵子さんの簡単レシピ

そんな、恵子さんの野菜をおいしく食べる簡単レシピは、短いお買い物の会話の中で、すぐ覚えられるものばかり。ご自身が作ったお野菜だから、どんな料理にしたらおいしいのか、誰よりも良くご存知のはず。これなら、家にある調味料でパパっと出来そう。目の前にある野菜を買って試したくなります。 
たとえば、この日お店に並んでいた野菜でお聞きしたレシピは、次のとおり。

[高菜]
ザク切りにして熱湯にくぐらせてから、塩をふってタッパに入れて少し置くだけでおいしく食べられるわよ。高菜のちょっとクセのある味がまたいいの。しょうゆは先にかけると葉の色が悪くなるから、食べる直前にかけて食べてね。
[ブロッコリのわき芽]
うちの野菜はどれもそうだけど、採れたてでやわらかいから、ブロッコリも茹ですぎないのがポイントね。さっと茹でてゴマ和えにしたら最高よ。
[カブ]
カブはね、ベーコンと一緒にコンソメスープにするといいわね。葉っぱも入れると彩りもいいしね。他にもお味噌汁にもいいし、おしんことか塩漬けとかにも合うわね。
[八頭の子]
小さくて皮むくのたいへんだから、ボウルに水をためて良く洗って泥をおとして、そのまま皮ごと茹でちゃうの。そうすると、皮がつるんとむけるから。お煮染めもいいけど、そのまま砂糖醤油とかゴマ味噌とかつけて食べるだけでおいしいわよ。

畑でスクスク育っているまだまだ小さい春キャベツ。店頭に並ぶ日が待ち遠しい。 畑でスクスク育つ春キャベツ。店頭に並ぶ日が待ち遠しい。

 

早起きは三文の得

私が取材させて頂いた4月初旬の畑では、これからお店に並ぶ予定の野菜がたくさん順番待ちをしていました。キャベツ、わけネギ、スナックえんどう。夏には、えだ豆、からし菜、にんじん。玉ねぎ、大根、里芋などもこれからじっくり育っています。どの野菜もなるべく農薬を使わないようにと、佐伯さんご一家が手間ひまかけて作っている自慢の野菜ばかりです。

早起きしてでもまた、会いに行きたくなる佐伯さんご一家。そして、また食べたくなる健やかでおいしい野菜。次は、どんな野菜に出合えるかな。どんなレシピを教えて頂けるかな。早起きは三文の得とは、今日みたいな日のことを言うんだなと、新鮮なお野菜をリュックに詰め込んで、おいしいレシピをたくさん教わって、ウキウキしながら帰宅した私でした。(文/写真:小林未央)

佐伯昭ニさんの直売所
[営業]毎週土曜日朝7:00〜(売り切れまで)
    ※野菜が豊富な時期は、火曜日10:00〜営業することもある
[住所]国立市富士見台3-24
[電話]042-575-2653
http://kunitachi-agri.jp/shop/

冬に甘みを増す、栄養豊富な万能野菜

冬の寒さに耐えて甘みを増す小松菜。 葉物は傷みが早いので新鮮なまま食卓に並ぶよう、都市部で多く作られています。 今回取材したのは、84歳の佐伯吉蔵(きちぞう)さんと、稲を刈ったあとの田んぼの一部で小松菜を育てる佐藤義雄(よしお)さんのお2人です。 取材してみると知らないことがたくさんありました。

佐藤義雄さんの畑にて。(写真撮影:赤尾雄介)

小松菜とほうれん草を比べてみました

農家さんに取材した中でも、取材したメンバーで話したときも、ほうれん草の話題があがりました。 一見似ている小松菜とほうれん草。違いを比較してみました。
見た目で違うのは、茎。 ほうれん草は茎が緑色で先端が赤く細い。小松菜は黄緑で太い。
触った感じは、ほうれん草のほうが柔らかく、小松菜は分厚くてしっかりしています。
栄養価も比較してみます。 どちらも栄養価は高いのですが、ほうれん草は、葉酸・鉄分・食物繊維などを、小松菜はβカロテン(ビタミンA)・カルシウム・ビタミンCなどを豊富に含んでいます。
また、ほうれん草はシュウ酸を含むため、下ゆでをしないとエグミが残りますが、小松菜はアクが少なく、ゆでずにそのまま料理に使えるという違いもあります。
葉が分厚くしっかりした小松菜。(写真撮影:ながむらゆうこ)
佐藤義雄さんの小松菜は根っこが太く、しっかりしています。

寒さに耐えて甘みを増す小松菜

小松菜というと冬野菜のイメージがありませんか?取材して知ったのですが、猛暑の頃を除き、年中作っているそうです。
栽培期間は、冬は3ヶ月くらいで、11月頃に植えて2月頃に収穫。春夏は、1ヵ月で収穫できます。
『冬は、寒さに負けずゆっくりゆっくり育っていくから、甘みがあって緑色の濃いものになるよ』と佐伯吉蔵さんは言います。『暖かい時期は、植えるタイミングを誤ると収穫が一気に来ちゃうんだよね』と、秋冬と春夏の違いを教えてくれました。
小松菜にはいろいろな種類があることを知っていますか?実はたくさんの種類のタネがあるそうです。それぞれの種には、「(小松菜の)色が濃い」、「栽培しやすい」、「柔らかい」、「荷姿がいい」など、特徴があります。育てる時期や市場性を見て、農家さんが育てる品種を選ぶそうです。今回取材したお二人は、「なかまち:極立性で収穫しやすい」や「楽天(らくてん):緑色が濃く、束姿が美しい」という品種を育てるそうです。 お店に並んだ小松菜も、時期や生産者によって、見た目や味が違うんですね。食べ比べてみたくなりました。
佐伯吉蔵さん。84歳です。
時代背景を含めて吉蔵さんの農業の歴史を話してくださり、お話上手なので取材時間があっと言う間でした。(写真撮影:ながむらゆうこ)
霜にあたると葉が黄色くなり市場価値がさがってしまうため、パオパオ(不織布→保温、保湿、遮光、防虫等)をかけます。(写真撮影:ながむらゆうこ)

育てるのも食べるのも万能な小松菜

笑顔が素敵な佐藤義雄さん。 昔はサラリーマンをしていて、農家さんになった当初は苦労も多かったそうです。長年小松菜を育てています。(写真撮影:赤尾雄介)
義雄さんは、田んぼの一部で小松菜を育てています。 田んぼの土は、畑と違い粘土のように粘りがある。雨が降るとドロドロになるし、乾くとカラカラになる。『だけど、土に力があって、うまくいくとすごくおいしくなるんだよね』と義雄さんはおっしゃっていました。(写真撮影:赤尾雄介)
今回取材したお二人とも、「小松菜は連作がきくところがいい」と話していました。野菜によっては、同じ場所に植えると病気になることがあり、少しずつ場所をずらして栽培するそうです。「小松菜は、比較的、そういうことが少ない」と、佐藤義雄さんは言います。また、収穫も早いので効率が良いそうです。「あそこのネギは、去年から1年くらいずっと植えたままだよ」と聞いてびっくり。野菜によっては、育てるのにそんなに時間がかかるんですね。

もちろん、育てる大変さはあります。冬は霜で小松菜を傷めないように、夏は虫にやられないように注意を払い、土には、たい肥をまいたり、落ち葉で肥料を作ったり、土づくりも工夫しているそうです。 小松菜の万能性は、食べ方にもあります。私は、お浸しや、お味噌汁くらいしか食べたことがなかったのですが、義雄さんは、ひき肉と炒めたのも大好きとか。また、義雄さんのお友達で、お漬物にする方もいて、それは野沢菜のお漬物のような味わいだそうです。

煮て良し、炒めて良し、お漬物にもなる。確かに、クセがないので、色々な料理に活きてくるのかもしれません。 今回取材をしていて、小松菜は万能野菜なんだなと知りました。
くにたち野菜しゅんかしゅんかに佐藤義雄さんの小松菜があったので、その小松菜で、シイタケと豚肉の味噌炒めを作ってみました。
格別においしかったのは、吉蔵さんや義雄さんの顔が浮かぶからでしょうか。2杯も食べてしまいました。 栄養豊富でクセがないのは、嬉しいところ。料理を工夫して、もっともっと小松菜を取り入れた料理を作りたいなあと思いました。
(文:おおつかさき/写真:おおつかさき、ながむらゆうこ、赤尾雄介)

くにたちでも作ってます!健康注目野菜キクイモ

ここ数年、生活習慣病が気になる世代から注目されている健康野菜「キクイモ」、みなさまはご存じでしょうか。11月頃から、くにたちの農産物直売所でも並ぶ、どことなくショウガのような、楽器のマラカスのような、はたまた宇宙船のようなユニークな顔の芋。

一般的な芋に含まれるデンプンと違い、血糖値の急激な上昇を抑える働きを持つイヌリンが主成分ゆえ、くにたちの農家さんの間でもキクイモの輪が広がり、現在では5~6軒の畑で栽培されているのです。ただ、知名度のほうはまだまだ高いとはいえないようですね。
成分の詳しい効果についてはその手の専門Webサイトにお任せするとして、ここではくにたちにて「キクイモ」に関わる方々を紹介していきましょう。
[近年注目のキクイモ 実は長き歴史があった]
近年の健康ブームでもてはやされるようになったキクイモですが、その歴史は長く、既に17世紀のヨーロッパではアーティーチョークに味が似ていることから、エルサレムアーティーチョークとして親しまれていました。どのような土地でも育ちやすいその性格が、飢饉な時代を支えたともいいます。それだけに、物資が豊かな時代に突入すると、保存がしづらい等の点からキクイモの存在は目立たなくなりましたが、「キクイモに含まれるイヌリンが血糖値上昇を抑える」といった発見で、再び注目を浴びるきっかけとなりました。


くにたちでキクイモをそだてる

「キクイモって、実は第二次世界大戦後の日本では普通に食べられていたものなんだよ。昔はだいたい塩漬けか味噌漬けにして食べるのが主流だったね」そう語るのは、くにたちでキクイモを熱心に育てている北島薫さん。どうして、キクイモを育てようと決心されたのでしょう。その出会いから伺ってみました。 「とにかく、人が作らないようなものを作ってみたい」「これからの長寿社会を築くには健康への取り組みでしょう」それらのキーワードから珍品種や健康野菜を探していた薫さん、そこでキクイモという存在を知ることとなりました。


早速栽培に着手し、実際に販売するようになって5年ほどになりますが、当初は店頭に並べてもその知名度の低さと、妙なる形からか手にとるお客さんは僅かだったそうです。しかし、そこで諦めないのが薫さん、惚れ込んだキクイモをなんとかアピールしようと、自ら作製したPOP広告を直売所に掲げ、キクイモ普及につとめます。

「珍しい野菜を作っても、それがお客さんに定着するまでには3年はかかるよ」、だからこそ焦らずじっくりと年月をかけて取り組み、栽培からその食し方に至るまで、薫さんは日々研究されているのです。

とはいえ、栽培はいたって手が掛からない優等生。病害虫にも強いため、消毒不要なのだとか。ある意味無農薬野菜といえますね。4月頃に種芋を植えたら夏にはグングンと生長し、茎は2~3メートルにまでのびます。道ゆく人は、ここはジャングルか?と首を傾げるくらいだそうですよ。その後、9月から10月にかけて黄色いキクのような花が咲き、茎が枯れた11月頃から翌3月くらいまで収穫可能です。

そこで、取材がてら私も収穫の手伝いをさせていただきました。
この枯れた茎の下にキクイモが実っています
収穫は手で土をかき分けてイモの感触を見つけます
土を優しく掘り起こしてみると、根っこが肥大化した根塊の一部が顔を出します。ここからは、丁寧に手で土を掘りながら取り出します。ひとつ発見すればその周囲にも根塊がある証拠、それを指の感覚だけで掘り当てていく作業はまるで宝探しのような楽しさこそありますが、いかんせん腕と腰に負担はかかるわ、手間と時間もかかります。薫さん「健康野菜を収穫しながら筋肉トレーニングをして、健康になってるよ」と笑います。
6m程の畝で10kg弱の収穫が出来ました
出荷前には軽く水洗い、これも購買意欲を左右する重要な作業

農家さんオススメ!調理法

キクイモは、生ではほんのり甘くシャッキリ、加熱するとホクホクとトロトロが共存する不思議な食感が楽しめます。芋という名がついていながら、生でサラダ等でも食せるのも特長のひとつなのです。

薫さんのオススメ調理法は「電子レンジで加熱して、塩や好みのドレッシングをかける、これが手軽ながら美味しい食べ方だよ。」とのこと。実にシンプルですが、キクイモ本来の味を感じるためには、一度は試してみたいものです。また、生のまま小ぶりなサイズなものを味噌漬けにするのも定番です。

私も、実際に「電子レンジdeホックリキクイモ(勝手に命名)」を作ってみました。彩りにブロッコリー等を添え、ハーブソルトをさっとかけたら、立派なサイドディッシュの完成。これがまた家族にも好評でした。油との相性も良いので、炒め物やきんぴらもオススメです。

電子レンジでチンしただけのホックリキクイモ
キクイモとキノコ類、ネギと共に甘辛醤油で味つけした一品
調理するうえで注意する点といえば、キクイモのイヌリンは水溶性なため、洗い過ぎたり煮物にすると栄養分が流れでてしまいます。ポトフ等にする場合はスープもしっかり飲みましょう。

薫さんはキクイモ専門の料理本を入手して、対面販売の際にはお客さんへの調理アドバイスにも役立てているそうです。キクイモの話をもっと詳しく聞いてみたい方は、毎週月・金曜日にJA富士見台駐車場で販売する農産物直売所を覗いてみてください。

くにたちのキクイモ加工品計画 

くにたちでは、生の状態を手にする機会に恵まれますが、一般的な食料品店ではなかなか見かけません。粉末パウダーやサプリメントに姿を変え、インターネット販売などで全国に流通される方が多いのです。

そんななか、生のキクイモを使ってより親しみやすい加工品を商品化すべく、キクイモのピクルスを開発しているのが、くにたちにてピクルスやジャムを製造販売している「おへそキッチン」。

くにたち野菜・果物にこだわり、冬ピクルス開発のために旬の野菜をいくつも試していくなかで、生食でほんのり甘みと心地良い食感をもつキクイモにたどりついたと、代表の小野円さんは語ります。

ただ、ショウガのようなゴツゴツとした形は瓶に詰めにくいなど二の足を踏んでいたところに、小ぶりで丸めな形のものを薫さんから分けてもらったことで、本格的な試作がはじまりました。一般販売するには小さすぎるキクイモがこのような形で活躍するのは嬉しいことです。

食感からハーブ・スパイスの調合まで試行錯誤を重ね、試食してもらってはまた試作の繰り返し。ピクルスを日持ちさせるべく瓶を加熱処理する時間ひとつでも、火の通りが早いキクイモは歯ごたえに大きく影響を及ぼします。
農家の皆さんで試食。率直な感想が飛び交います
商品化にむけて語り合う北島薫さんと小野円さん
取材段階での試作品は、中がトロッと外はカリッとした二重の食感が楽しめる、そしてマイルドな酸味をまとったピクルスに仕上がっていますが、商品化された際にどのような形になっているのか、非常に気になるところです。

これがただいま検討に検討を重ねているキクイモのピクルスです

キクイモのピクルスの発売は、2014年4~5月頃を目指しているとのこと、販売詳細については、おへそキッチンfacebookにて掲載予定です。

名前の由来は・・・ 

くにたちあぐりッポのグルメガイドで紹介している野菜料理カフェ「ベジ・ア・ターブル カフェ・トピナンブール」のオーナー、ベジ料理研究家 yoshiさんによる「トピナンブール(キクイモ)のロースト」のレシピは、もう試されましたでしょうか。こんがりと焼き色をつけたキクイモは、味は勿論のこと見た目にも食欲をそそります。

と、ここで気づかれた方も多いはず、そう、トピナンブールとはキクイモのフランス語名なのです。yoshiさんがヨーロッパの友人宅で、あまりの美味しさにその名を訊ねたところ、それが「トピナンブール」だったそうです。風味もさることながら、その生命力や言葉の響きに惹かれたyoshiさん、どうしてもお店の名前にしたかったのだとか。

旬な季節には、不定期ではあるもののキクイモを使ったポタージュやローストなどが、お店のメニューにくわわることがありますので、是非足を運んでみてくださいね。

(文・写真 ながむらゆうこ)

 

ギャラリーカフェPupu

国立駅南口から徒歩5分、眼鏡屋さんの隣のドアを開けると、選び抜かれたアンティークの家具と、オーナーのセンスを感じさせる展示の数々が目に飛び込んできます。
たくさんのモノがあるのだけれど、オーナーのたしかな眼で選び抜かれているから、そこには素敵なハーモニーが生まれています。

限定ランチは1日15食。 素敵な器でこだわりの食材を使った絶品ランチ。毎回違うメニューなのでいつお伺いしても大満足なのです。

そして、月2回はアンチエイジング・ベジ料理研究家、きゃしーさんのスペシャルデー。有機野菜だけのメニューなのにボリューム満点、次の日はお肌にハリが出ると大評判の人気メニューです。

カフェメニューは厳選された豆でていねいに淹れるコーヒーやフルリーフの紅茶のほか「風邪のひきはじめにぐっすり眠れるブレンド」「心に寄り添うブレンド」「女子力UP」など処方箋のようなタイトルのついた数々のオリジナルオーガニックハーブティーが人気です。こちらはハーブティーインストラクターによるセレクトブレンドで、とにかくおいしい。ハーブティーの印象が変わります。このほか、オーガニックソーダ、お酒のメニューも多彩です。
Pupuのキッチンで焼く天然酵母パンやオリジナルクッキーも楽しみです。

お店のギャラリーにはこだわりの作家さんの作品が。月に一度入れ替わるので訪れるたびに見入ってしまいます。
作品に囲まれてライブやお話会の企画もたびたびあるそう。ブログにお知らせが載るので要チェックですね。
お店の奥には貸しスペースもあり、いろいろな教室が開かれています。

ここに来ると、あまりの居心地の良さに、日々の雑事を一時忘れて、ゆったりとした時間にずっと身をゆだねていたくなります。

ところで「Pupu」という名前、どんな意味だと思いますか?
実は、フィンランドの幼児語で「ウサギ」の意味。
お店の中にはうさぎがたくさん隠れています。
一度、探してみてはいかがでしょうか?  

circus

喫茶店とカフェを中心に働き、
様々な料理に触れてきたセキグチテルヨさんが
2013年9月14日、 国立市中1丁目にOPENしたcircus。

四季折々の旬のものをつかった小鉢とともに「茹で鶏のせご飯」や、
「茹で鶏のフォー」、「お惣菜セット」、手づくりのデザートなどがいただけます。

『1人でお店をきりもりしているので、お料理を提供するまでにお時間がかかってしまう場合が多々あります。
お待たせしてしまう分、温度を感じていただける接客や丁寧なおもてなしを心がけています。』と、セキグチテルヨさん。

素敵な空間で、心地よいひとときを過ごせるcircusへ
ぜひ足を運んでみてください。

熱帯うまれの秋冬の人気者

ここ、くにたちでも多くの農家さんがつくっている野菜の1つ、里芋。
里芋はあの粘りや味が好きな人も多いですが、その反面、調理するのが面倒なのよね!という声も聞きます。
そんなあなたに、つるんと剥ける方法ものちほどご紹介します。簡単にできるのでぜひお試しくださいね。
まずは、里芋の歴史や栄養価からみていきましょう。

矢澤綱吉さんと里芋の育つ畑にて。

熱帯うまれの身体によい野菜

原産地は、インド東部からインドシナ半島にかけてという説が有力。日本に渡来したのは縄文時代の後期より古いとされ、古来より愛されてきました。

里芋は、タンパク質、ビタミンB、Cなどを多く含み栄養価が高いのが特長です。しかも、食物繊維が豊富で水分が多く低カロリー。ヌメリの成分のムチンは、胃粘膜を保護して胃腸の機能を高める作用があり、もう1つの成分のガラクタンは、脳細胞を活性化させ、免疫力を高める効果があるとも言われています。これからの受験シーズン、まさに頼もしい味方になりそうです。

里芋のかたまりを解説

スーパーでは、ほとんど見かけないのが親イモや、子イモ。どちらも粘りが少なくホクホクでおいしいのですが、これを買えるのも直売所だからこそ。
そんな里芋は下記写真のように、中心の大きなイモ(親イモ)を囲むように子イモがつき、さらにその周りに孫イモ (里芋)がつきます。
横から見た様子。親イモ>子イモ>孫イモ(里芋)とつけていくことから、子孫繁栄の象徴と伝えられています。

里芋が好きなもの、苦手なもの 

収穫したばかりの里芋をみせてくれる綱吉さん。1つ1つが大きく立派な里芋です。
市役所近くの畑で里芋を栽培している矢澤綱吉(つなよし)さんは、農業を始めてもうすぐ70年のベテラン農家さん。毎年、5月中旬ころ畑に里芋を定植し、11月に入って収穫しはじめます。

里芋は、熱帯うまれだけに、水が大好き。そして、乾燥と寒さが苦手な性質があります。

「夏の間、陽が沈みかけた夕方から、用水で汲んだ400ℓの水を畑まで軽トラックで運び、それを真っ暗になるまで往復7回、水やりをしているんだよ」と、綱吉さん。おいしい里芋をつくるのは、なかなか大変なのです。

「田んぼ」で里芋!?

「里芋を田んぼで作っているひともいる らしい」という情報を得て、探してみたら・・・。谷保の米特集でお世話になった北島直芳さん、トマト特集の佐伯誠三さんと、直売所特集の北島義昭さんがつくっていました。
田んぼというのは、稲を育てる場所、とばかり思っていたので驚きましたが、聞いてみると、とっても理にかなった栽培方法でした。

つまり、乾燥が苦手で水が大好きな里芋の性質から、
1)灌漑(かんがい)しやすいので水があげやすい
2)ねっとりしていて、煮崩れしにくいものができる
というわけです。なるほど、なるほど。

※灌漑(かんがい)とは、農作物の生育に必要な水を、水路を引くなどして供給し、耕作地をうるおすこと。
※田んぼでつくる農家さんは他にも何人かいらっしゃるそう。

保存の仕方

12月中旬、土方忠夫さんの畑に伺って、保存しているところを見せていただいてきました。里芋は寒いところが苦手なので、霜が降りるまえに畑から掘り起こし、地下室で保存したり、2mくらい掘った土の中に埋めて保存します。
土方さんは、前者の地下室で保存されたものの中からいいものを選りすぐって、来年の種イモにするそうです。
土方忠夫さんの畑で採れた里芋は、畑の納戸の地下室で保存されていました。
親イモや子イモ(子頭)、孫イモ(里芋)が、ひとかたまりになって保存されていて、出荷の際、キレイにして袋詰めするそう。
明るいところでみるとこんなかたまりに。
親イモ、子イモ、孫イモのかたまり。
同じく地下には、京芋や八頭(ヤツガシラ)の姿も。写真は京芋。

「Let’s cooking!」の巻 part.2 

さて、そんなくにたち産の里芋を使っての美味しいメニュー。今回ご協力いただいたのは、国立市中1丁目にある飲食店「circus」のセキグチテルヨさんに「里芋のポタージュ」のレシピをいただいてきました。
クリーミーでやさしい味わいに、ほのかに和の空気を感じるこの一品。そのかくし味の正体は、お味噌が入っているから。
彩りに柚子の皮がちりばめられているのも素敵でした。
ぜひ、みなさんもご家庭でお試しください。(レシピはこちらからどうぞ
【皮のむき方・時短テク】
熱湯で3分ほど茹でると、外皮だけがつるんとむけます。 手がかゆくならないし、ぬめりも残るのでとっても簡単な時短テク。
※電子レンジでチンするというひとも。

時短テクをしたあとに、
煮物を作る際には、予めしっかり茹でておくと味も染み込みやすくなり、煮汁の色が濁りません。

(文:さとうひろき/写真:ながむらゆうこ、さとうひろき)

冬こそ食べたい大根

今月の特集は、この時期 大活躍の大根です。

topの写真を撮影しに伺った冬の某日。

まず大根の豆知識から

大根はアブラナ科の植物。原産地は地中海沿岸と考えられており、紀元前2500年ころにはエジプトで食べられていたとか。日本には縄文時代か弥生時代頃に中国から伝えられました。昔は白首大根が主流でしたが、現在は、辛味が少なく、煮崩れのしにくい青首大根が全体の95%を占めます。土から立ち上がった部分が青くなるので、青首大根と呼ばれていますが、小ぶりで収穫がしやすいということもあって農家の間で広まったようです。


くにたち産の大根の話

さて、今回、国立で7年前から大根を栽培、市場に出荷している遠藤義明さん、長男の隆太さんの畑におじゃましてきました。
下谷保にある遠藤さんの畑の土はさらさらの赤土でした。ここで栽培されている大根は、「献夏(けんか)37号」と「福誉(ふくほまれ)」の2種類。 献夏は夏大根で、暑さに強いきめの大根。葉が大きく、立派です。福誉は冬大根。あまり大きくはなりませんが、毛穴が浅いので肌がきれい。「当初からこの2種類を植えていたわけではないけれど、何年か試して、国立の気候とこの土地にあった献夏と福誉に落ちつきました」と隆太さん。

遠藤義明さんと長男の隆太さん。
遠藤さんの畑の大根の作付けは、8月下旬。夏の暑さが一段落した頃です。そして収穫は、神奈川の方から三浦大根が出てくる前の11月。本来なら11月の終わりあたりは大根の底値の時期で、1本100円くらいのはず。でも今年の大根は高いですよね。

「原因はあの台風だよ」と遠藤さん。9月に日本を襲った巨大台風、18号です。
強い風の影響で苗が横になり、できた大根は多くが曲がってしまいました。市場では、曲がってしまった大根はB級品としての扱いになってしまい、ほかの農家でも同じようなことが起こっていたと思われます。原因は台風だけではありません。「虫になめられてるんだよ」といって見せてくれたのは大根についた“傷”。今年はこういった被害が大発生しているのだそうです。もちろんこのように傷のついた大根も出荷できません。

台風で曲がってしまった大根
虫に”なめられて”しまった大根。
隆太さんに、大根作りの苦労はと聞いてみたところ、”何が起こるかわからないこと、そして起こったことに対して大概はどうにも手の打ちようがないこと”という答えが帰ってきました。美味しい大根の裏には、やはり農家の方の苦労があるのですね。

大根を作り始めてから、遠藤さんはとれたての大根を葉付きで出荷するようになり、そのためのダンボールも特別に用意しました。それが好評で、今では国分寺市などからも葉付きで出荷する農家が増えてきたそうです。大根の葉は栄養豊富、それに葉がついていると新鮮さがひと目でわかります。

遠藤さんの大根はとにかく真っすぐ。曲がった大根は出さないのが、お二人のこだわりです。
大根を洗う機械を見せてくれた遠藤さん。
回転するブラシの中に大根をいれると
あっという間に大根がきれいになります。
葉のついた大根を出荷するために、
作った大きめのダンボール箱。
葉のついた大根、うれしいですよね。

手作りの切り干し大根

そして、1週間後、今度は切干大根を作っていらっしゃる澤井豊弘(とよひろ)さんのご自宅におじゃましました。澤井さんの畑では、たくわん用の大根と三浦大根を作っています。たくわんづくりに向いた大根というのがあるのですね。ただし、こちらは自家消費用だそうです。切干大根を作るのは、例年、年があけてから。乾燥した気候が向いているのと、昔からお正月が終わって残った大根を使って干すようにしていたのではないかという奥様の富士子さんのお話でした。


「切干大根の作り方は?」と富士子さんに聞くと、
「切って干すだけ。」
「え、それだけですか?」
「はい。」とにっこり。


澤井さんのお宅では、切った大根を横にした網戸の上に重ならないように並べ、日陰にならないよう、その網戸を一日何度も動かします。もちろん夜は家の中へ。そして少し乾いてきたら、梅干用の竹かごに並べてカラカラになるまで乾燥させます。出来上がるまでの日数は4日ほど。
「こうやって並べるのよ。重ならないように ね」と梅干用のざるに並べて見せていただき ました。
庭の日の当たり具合をみながら、ざるを動か して乾かす。

取材を終えて・・・ 

大根を頂いたので干し網を使って干してみましたが、雑な私は同じ太さに切っていなかったために、乾燥具合がまちまち。何度も場所を移動させて、それでも4日では干し上がりませんでした。また、あんなにたくさん切ったはずの大根がカラカラになってみるとほんの少しに。
「切干大根は、手間ですよ」と言われていた澤井さんの言葉に納得がいきました。

澤井さんの切干大根は、1月半ばからしゅんかしゅんかで販売になります。
「大根」と言っても種類も様々。
左から、紅くるり大根 → 紅化粧大根 → 聖護院大根 → 青首大根(福誉) → 三浦大根
写真には写っていませんが、甘酢漬けや塩揉みでおいしい外側は緑色で中は紅色の紅芯大根や、外側も中も緑色した緑大根、紫大根なども。
(文:むらかみくみ/写真:ながむらゆうこ、さとうひろき)

12月の某日、朝7時まえ

 

12月の某日、朝7時まえ。
霜が降りて、こんなに冷え込んでいる朝でも
大根を抜いてきて、市場に出荷するための準備をしている
こんな風景に出逢いました。
軽トラックにたくさんのだいこん。
今年は、台風が1週間ごとに来たのもあり、
育てるのが大変だったそう。

そんなお話を聞いていると、
「いただきます!」
という言葉をちゃんと口に出して食べようって、
こころ改まるわたしでした。

初冬~夕陽を浴びる緑の帯~

12月はじめ
畑の奥に広がる木々も色を変え
落葉が進みつつあるものも・・・

11月の下旬頃はまだ小さな小さな背丈だった小松菜たちは
グングン生長中です
畑に広がる緑の帯があまりに美しかったので
足をとめずにはいられませんでした

城山の紅葉と秋桜

取材のため城山の古民家を訪れた際
城山一帯の紅葉が見頃となっていました
新たなる農の拠点となる城山では
こんな風景も楽しめるのですね。
秋桜はくにたち花と蜜蜂の会の会員さんたちが植えたそうです。
秋桜は蜜蜂にとって蜜源であるとともに
人にとっても癒やしの源ですね。

やわらかい陽射しを浴びて

やわらかい陽射しが射す11月の夕方
ねぎのたくさん植っている畑におじゃましました。
ねぎの白い部分を長くするには、
何度も何度も、何度も、土をかぶせていかなければなりません。
そうした日々の努力のお陰で、ねぎの白い部分はニョキニョキ伸びていくのです。
でも、ただかければいいということでもないようです。
ねぎの生理現象を理解した上で”土を盛る”時期がある
らしいです。

何も知らずに、食べてました。
もっと感謝して食べようって思いました。
「いただきまーす!」

おいしくて栄養満点!直売所の魅力

今年も冬野菜のおいしい季節がやってきました!ぜひぜひ、直売所の野菜を味わっていただきたいです。農家さんが自信を持ってお届けするくにたち野菜が、寒さに負けない健康なからだづくりをサポートします。

この日、北島義昭さんが直売所に並べた野菜は、ほうれん草、小松菜、かぶ、春菊。どれも、青々としていておいしそう!

こだわりの野菜、おうちで味わおう!

直売小屋の中に入ると、色とりどりの野菜がごろごろ。それも、一つ一つがとっても大きくて立派なんです!泥も根っこもついていて、まさにとれたての野菜という感じがします。「全部、くにたちで採れた野菜です。ぜひ食べていただきたいですね」と国立7小前にある農産物共同即売所の北島義昭さんが語ってくれました。
この直売所の始まりは19年前。北島さんをはじめとした5人の農家さんによって立ち上げられました。少しずつ実績を積み重ね、たくさんの常連のお客さんが直売所を訪れてくれるようになったそうです。現在は、農業塾出身のボランティアの方々がふだんの店番をされています。
中心となって直売所に野菜を納入されている北島さんは、農業を始めて26年のベテランの農家さん。お米や、たくさんの種類の野菜を作っています。そこで、北島さんの野菜を育てる際のこだわりを教えてもらいました!

【こだわり1】
有機肥料 野菜を育てる際に使う肥料の一つに、有機肥料というものがあります。野菜に直接影響を与える化学肥料に対し、牛ふんや鶏ふんなど自然界にあるものを原料とした有機肥料は時間をかけて土を豊かにします。そのため、他の肥料よりも手間がかかりますが、これを使うと栄養価が高くておいしい野菜が育つといわれています。なかでも、北島さんが使う有機肥料はこだわりが強く、高品質なものを使っています。「費用がかかるから元をとるのは大変だけど、お客さんの評判が良いので続けています」とのこと。甘くて香りが強く、実が大きくて柔らかい野菜に育つそうです。

【こだわり2】
減農薬野菜 北島さんの畑では農薬を必要最低限の量しか使いません。農薬を全く使わなければ、病気や虫の被害が出てしまいとても難しいそうですが、ふつうは4回農薬を使うところを、北島さんは1~2回に抑えています。もしそれでも被害が出てしまった場合は、比較的安全な薬で対応しています。「お客さんが安心して食べられる野菜を作りたい」という思いから、農薬に頼りすぎない野菜作りを心がけています。

北島家は、なんと540年も前からくにたちで農業を営んでいます。谷保農家の伝統を支える農家さんの一人です。
直売小屋の中はこんな感じ。冬野菜が本格的に出始めると、小屋が野菜でいっぱいになってしまうそうです!
お話を聞いているうちに、北島さんの野菜作りにかける思いが伝わってきました。今年は、雨が多くて土壌が病気になってしまったり、台風が来るたびに野菜を消毒しなければならなかったり、自然との葛藤が多い1年だったそうです。一つの野菜が直売所に並ぶまでに、たくさんのドラマがあったことを感じさせられます。
この直売所では、年末にかけて ほうれん草、小松菜、かぶ、大根、長ねぎ、にんじん、ブロッコリー、キャベツ、やつがしら、里芋、白菜 などを扱う予定です。今年は、12月28日ごろまで販売をしているそうです。年末の買い出しは、ぜひ直売所に行ってみてはどうでしょう。
北島さんの管理する畑がこちら。写真にあるのは、手前がかぶで、奥が小松菜です。葉がとても大きいですね! 他にはサラダほうれん草も育てています。
○農産物共同即売所
住所:国立市富士見台1-21-2
実施曜日:火・水・土
時間:4~10月は15時から17時、11~3月は14時から16時

楽しい買い物は、楽しい会話から

続いてお話をうかがったのは、JA富士見台支店駐車場の直売所。こちらの直売所は、とっても種類が豊富!これからの季節は、にんじん、さつまいも、パープルスイートロード(さつまいも)、安納芋(さつまいも)、里芋、大根、ブロッコリー、菊芋、長ねぎ、のらぼう菜、じゃがいも、落花生、ごま、パンジー、ビオラ、天神米、その他たくさんの野菜が出されます。 一つの直売所で、こんなにたくさんの野菜を買えるんだ!と驚かれる方も多いでしょう。7人の農家さんが共同で運営しているため、品数を多くすることができるそうです。それぞれの畑から、自慢の野菜が持ち寄られます。
そして、この直売所の魅力はなんといっても、農家さんから直接野菜を買えること!ベテランの風格を漂わせる農家さんたちが、丁寧にお客さんの対応をしてくれます。それぞれの野菜の特徴や季節のオススメなど、いろいろなことを教えてもらえますよ。さらに、JA直売所の農家さんは、みなさん個性的でおしゃべり上手!買い物ついでに立ち話をしていくお客さんも多いとか。まさに、JA直売所はくにたち市民の憩いの場の一つと言えるでしょう。
JA富士見台支店の駐車場に入るとすぐ、長机の上にズラ―っと並ばれた様々な野菜が目に入ります。
ふだんはなかなか見かけない珍しい野菜も置いてあるので、お客さんはみんな興味津津!
左から、杉田重明さん、長嶋義範さん、佐伯雅宏さん、鈴木政久さん、北島薫さん、佐伯達哉さん、北島直芳さん。直売所立ち上げ時のメンバーは4人でしたが、今では新しいメンバーも増え、にぎやかに活動しています。
直売所のメンバーである杉田重明さんは、お客さんと話すことが農家さんにとっても大きな意味があるといいます。「自分で直接野菜を売るようになって、お客さんの声が聞けるようになった。お客さんが野菜の感想を教えてくれるから、やりがいを感じられるようになったよ。」他にも、お客さんからオススメの野菜の種などの情報が流れてくることもあるのだとか。
そんなJA直売所は、今年で18年目を迎えます。農家さんにとって、お客さんの「おいしかった」という声が、直売所を続ける原動力となっています。
天神米の稲刈りのひとコマ
○JA富士見台支店駐車場
住所:国立市富士見台1-12-8
実施曜日:月・金
時間:11月~3月は14時から、4~10月は15時から

どうして直売所の野菜はおいしいの? 

矢川の駅そばにあったキャベツ畑。
直売所で買った野菜は、大型スーパーで買った野菜よりも段違いにおいしい!という声をよく耳にします。

これには、野菜の鮮度が大きく関係していると思われます。野菜は収穫された後も呼級を続けているため、長期保存すると蓄積された栄養やおいしさが逃げてしまいます。そのため、ほとんどの野菜は収穫した直後が1番おいしくて、栄養がたっぷり詰まっています。

また、直売所に並ぶ野菜はどれも旬のものばかり。野菜を買うことで、季節の移り変わりを感じるのも素敵ですね。
来月7日(日)は、「くにたちマルシェ2013」が開催されます。
この日も、農家さんみずから販売します。新鮮な旬の野菜がたくさん並ぶ予定なので、みなさん、この日のお買い物はぜひ、くにたちマルシェでいかがでしょうか。

詳しくは、以下、リンクからご覧ください。
http://kunitachi-agri.jp/marche/
(文:宮崎 美穂/写真:ながむらゆうこ、さとうひろき)

秋深き谷保の畑

朝晩はめっきり冷え込み、昼間の暖かさにほっとする11月下旬
北島義昭さんが畑作業されていましたので
ひと声かけて撮らせて頂きました。
谷保の地に住むようになり、ほぼ毎日この田園風景に親しんでいる私であります。
周囲の木々も秋色へと変化していってますね。

谷保天満宮 1111年目の例大祭

2013年9月21日~22日。
今年は、谷保天満宮の1111年目の例大祭でした。秋晴れの空、気持ちのいいお祭り日和です。
朝から聞こえる祭囃子に浮き足立ちつつ、私は3人の娘たち(小1・年中・3歳)をぞろぞろ連れて、谷保天満宮の坂道を上ります。
去年の例大祭は大雨のため参加できず、その前は三姉妹が小さすぎて、お祭りの輪に近づけず。4月から子ども会に入った長女は、下谷保の手ぬぐいを頭に巻いて、意気揚々と先頭を歩きます。
途中ですれちがう、揃いの浴衣を着た大人たちは、いつもより大きな声で笑い、知らない同士もにこやかで、お祭りならではのすがすがしい空気が谷保天満宮のあたり一面を包んでいるようです。

谷保天満宮の祭神は、学問の神様菅原道真とその子道武です。当時、谷保に住んでいた道武は、父が大宰府で亡くなったと聞き、一体の木像を彫ってまつりました。これが1111年前のこと。谷保天満宮の始まりと伝えられています。

「万灯(まんどう)行列」 華やかに、厳(おごそ)かに

万灯とは、長い柄のついた四角い箱灯篭(はことうろう)です。谷保天満宮の万灯は、バレンという花の装飾をつけて傘のような形にし、持ち手の部分に「手隠し」という額入りの絵や文字を飾っています。
万灯には、小、中、大とあり、大万灯は100kgを超えるそう。それを、ひとりで持ち上げ、一歩ずつ地面を踏みしめながら谷保天満宮へと進む姿は、1000年以上の歴史をつなぐリレーのようにも見えます。
小万灯と中万灯は40kgから70kgくらい。こども万灯を用意している町会もあり、それは約10kg。「小学生なら持てるよ、持ってみる?」と聞かれた長女ですが、さっきまでの元気はどこへやら。こども万灯と言えども、小学校1年生には、やはり重厚感たっぷりに見えるのでしょう。来年に期待です。

10数個の万灯が連なる行列は、谷保駅ロータリーから約2時間かけて、谷保天満宮の鳥居をくぐります。通常なら歩いて15分程度の距離ですが、そう簡単には進みません。踏切と甲州街道の信号と路線バスとのすれ違いのタイミングが難しく、行きつ止まりつの道行(みちゆき)です。止まっている間は男衆の力自慢、技自慢の見せ場となり、万灯をぐるんぐるんと傘のように回したり、上下左右に振ったりして、沿道の観客を沸かせます。
この日の気温は30度。日陰を探しながら歩く私たちに、勢い余った万灯が倒れてきそうな場面もありました。万灯を支えるために駆け寄る、浴衣姿の男衆。絶妙の動きでセーフ!

万灯行列の最後を飾るのは、下谷保町内会壮青年部が振る106kgの大万灯です。
持ち手を握り、息を止め、ぐっと持ち上げると同時に、肩、腰、頬で重さを受け止めます。言葉通り全身で支えるその形相は、神々しさすら感じさせ、気づけば私も息を止めて見入っているのでした。
大万灯は、沿道からの喝采を浴びながら一歩ずつ、さらに時間をかけて谷保天満宮の鳥居をくぐります。
仲間に見守られながら谷保駅ロータリーを出発。
甲州街道を越えれば谷保天満宮の鳥居です。

「古式獅子舞」は、3匹の獅子の恋物語

すべての万灯が鳥居をくぐると、ササラ・金棒・拍子木童子・棒使い童子・天狗・獅子宿神主・笛・獅子・歌人の順番で獅子組が土俵に向かいます。棒使い童子は、小学生くらいの男児4名。童子たちはみんな、顔を白く塗り、目のふちには赤い隈取りをしています。肩車をされている拍子木童子の中には、すやすや眠ってしまった子もいて、厳粛な神事の中のほのぼのとした光景に、観客も思わずにっこり。

まず、棒使い童子の演舞で場を清めたあと、約40分にわたる獅子の舞が奉納されます。
獅子舞と言っても、その姿は、まさに異形。私たちのよく知る、赤い顔に緑の唐草風呂敷、口をパックンパックンさせる獅子舞とはずいぶん違います。
谷保天満宮の獅子は、外国の魔よけの置物のような風貌です。そして、長い鳥の羽を頭に飾り、胸の太鼓を叩きながら、片足で跳んだり、大声で叫んだりする激しい舞。3歳の三女が怖がるので、泣き出す前に、私はそっと土俵から離れることになりました。

そんな古式獅子舞ですが、実は、この舞は3匹の獅子の恋物語なのです。一匹の雌獅子を二匹の雄獅子が取り合い、天狗が仲を取り持って、めでたしめでたし。恋物語と聞くと、異形の獅子にも急に親近感がわきますよね。

さて、獅子舞奉納の後半。境内の、土俵から少し離れた場所で、わあっと歓声が上がりました。振り返ると、大万灯の解体が始まっています。傘骨のような形のバレンの竹は、箸にして使うと無病息災のご利益があると言われています。これがお目当ての方も多く、たくさんの観客が大万灯に押し寄せました。
宵宮獅子の様子。平安時代に、村上天皇が奉納されたと伝えられている獅子頭は、江戸時代に焼失し、3年かけて復元したものが現在まで受け継がれています。
縁起物とされる岩座の花に、手を伸ばす観客。

「獅子迎(ししむかい)の儀」と「宵宮参り」
獅子宿から、獅子を谷保天満宮にお連れする。 

今年の獅子迎の儀の様子。前方の祭壇に獅子頭や衣装など一式がまつられています。
宵宮参り。夜8時頃、それぞれの町会の集合場所から谷保天満宮を目指します。
下谷保町内会では、今でも毎年9月15日に伝統行事として谷保天満宮参集殿にて「獅子迎の儀」を執り行っています。
ふだんは谷保天満宮の宝物殿に納められている獅子頭を「獅子宿」と呼ばれる獅子舞の稽古をする家に迎える「獅子迎の儀」。この翌日から、獅子組(獅子と笛など)の連夜の稽古が始まります。
昭和44年までは、甲州街道の東側にある佐藤家が獅子宿でした。獅子宿には、「獅子番」として谷保村の若者が毎晩交代で二人ずつ泊り込み、獅子の護衛をしていたそうです。現在は、谷保天満宮境内にある参集殿が獅子宿の代わりとなり、「獅子番」という制度はなくなりました。


例大祭一日目の夜は、「宵宮参り」です。翌日の本祭のために、獅子宿の獅子を谷保天満宮にお連れする氏子たちの行列のことで、「提灯行列」とも呼ばれています。
獅子は、高張提灯・ササラ・金棒などに先導されて鳥居をくぐり、氏子たちも、それぞれに提灯を持って列に続きます。そして、参道を下り、本殿を右回りに3周したあと、獅子の舞=宵宮獅子がお披露目されるのです。提灯のあかりの中で浮かび上がる獅子の舞を見ていると、過去にタイムスリップしたような、夢の中にいるような、不思議な気持ちになりました。


谷保天満宮例大祭は、毎年9月25日に近い土日で行われます。迫力の万灯と伝統ある獅子舞は一見の価値ありです。お住まいの町内会に入れば、万灯を振ることもできますよ!
今年、参加できなかった方は、ぜひ、来年をお楽しみに!
谷保天満宮や獅子舞のことをもっと知りたいあなた。こんなイベントもあります。
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郷土文化館 秋季企画展関連イベント

講演会「谷保天満宮獅子舞
~その歴史と伝承の様子~」
    
講師 津戸 最(谷保天満宮宮司)・谷保天満宮
   獅子舞保存会

実施日 12月1日(日)
時間  10:00~12:00
場所  郷土文化館講堂
定員  50名
参加費 無料
申し込み方法 11月7日(木)9:30より電話受付
お問い合わせは郷土文化館へ。 郷土文化館 042-576-0211
(文:小野 円/写真:ながむらゆうこ)

IL GIRASOLE(イル ジラゾーレ)

前オーナーが96年に、たまらん坂付近 国立市東3丁目に、ピッツァやパスタをメインとした家庭的イタリアンをOPEN。

店名の「IL GIRASOLE」には、イタリア語で”GIRASOLE=ひまわり”、”GIRA=まわる”、”SOLE=太陽”という意味があり、食べにきてくれたお客さんにも、
ひまわりのように陽のある方を向いていて欲しいという願いが込められているそう。
前オーナーのもと06年より働き始めた西山武士さんが、前オーナーの移転に伴い、
11年6月に2代目オーナーに。

地元のひとに愛され、常連さんの割合が高いという店内はウッディーなつくりで15席と小振りの空間ですが、ピッツァやパスタの種類も多く、居心地抜群でついついおしゃべりに花を咲かせて、長居してしまいたくなるお店です。

ボナペティ国立

オープンして2年目の「ボナペティ国立」は、地元の新鮮野菜や果物を中心としたサラダ・惣菜・デザート・ジュースのテイクアウトのお店です。

魅力のひとつは何と言っても駅近。お店は国立駅南口から5分程度、音大付属幼稚園正門の並びにあります。

朝は7時半から19時半までオープン。朝食用にとおにぎりを買って行く出勤前の方々や、夕飯の一品にと仕事帰りのお母さんまで、一日中お客が絶えません。

お店はガラス張りで、外からも店内に並ぶ彩り豊かなお惣菜や弁当が目を引きます。奥のキッチンで料理している店長さんの姿も。

店長の塩崎佳子さんは、野菜ソムリエの資格を持ち、元看護士という経歴の持ち主。「普段からなるべく多くの野菜を取って欲しいですね」と塩崎さん。病院で勤務していた頃から、健康な身体を作るため、食生活の大切さをより感じていたそうです。

お店の惣菜は素材の味を生かし、塩分や調味料は控えめに優しい味に仕上がっています。健康を維持したい方、小さなお子さんの食育にもぴったりですね。

そして注文を受けてから作る「ジュース」。腸に効く「グリーンスムージー」や美肌にオススメ「きゅうり&りんごジュース」など、メニューは10種類以上。どれもメニュー表に効能まで書かれていて、その日の気分や体調で選ぶことが出来ますよ。

お店には、「この野菜でどんな料理を作ったらいいかしら」と、八百屋で買った野菜を片手に立ち寄る主婦の方もいるそうです。「気軽に立ち寄って、自宅の献立の参考にしてくださいね」と塩崎さんは笑顔で話してくださいました。

店長と会話を楽しみながら、心も身体もほっこりした気分になれるお惣菜屋さんです。

みずみずしい!国立産の貴重な梨

国立・谷保の梨園では、今年も美味しい梨の収穫と全国各地への出荷が始まりました!

収穫と直売が始まった8月13日に、佐藤梨園に来て、全国の親戚や知り合いに梨の発送を頼みに来たお客さん。列をなし、順番を待ちながら、試食用の梨を味わっています。

谷保は多摩川梨の産地

多摩川流域は、「多摩川梨」という名称で区別されるほどの梨の名産地です。谷保にはかつて30〜40もの梨畑がありましたが、今は、佐藤梨園と北島梨園のみ。「美味しい梨を味わって欲しい」という強い思いは、二つの梨園に受け継がれて、手間を掛けた梨作りが行われています。
梨農家の北島将臣さん。北島梨園は、40~50年前の祖父の時代に始まり、今は2代目の康雄さんと3代目の将臣さんが管理・運営されています。
佐藤梨園を経営している佐藤英明さん。背景にある梨畑は昭和39年のオリンピックの年に作られたそうで、開設時に「幸水」の木が植えられました。当時、「幸水」という名前は付けられておらず、新品種に与えられる番号で呼ばれていたそうです。

谷保の梨は全国に!

谷保で採れる梨の多くは、箱詰めされて全国に発送されます。発送先は北海道から沖縄まで。とても評判が高く、親戚や知人に送ると喜ばれるので、「来年もぜひ!」となります。全国各地への発送が年々増えているので、谷保の梨を買うには、こまめに梨園に足を運ぶとよいでしょう。
一家総出の箱詰め作業に追われる佐藤梨園。収穫した梨を大きさで分け、箱詰めして、全国各地に発送します。
北島梨園の開花風景。この写真は用水路を挟んだ高台から撮ったもの。

谷保で収穫される梨の種類 

谷保では、いくつもの品種の梨が作られています。佐藤梨園が最初に収穫・出荷するのは「幸水」、その後「稲城」「秀玉」「豊水」「秋月」「南水」「二十世紀」「新星」「新高」などが10月まで収穫され、発送されます。 北島梨園では、「豊水」と「新高」が中心です。

梨が実るまで 

梨作りは冬から始まります。冬は剪定作業と元肥やり。剪定は、4~5年先の枝の伸びる状態を考えての大切な作業で、肥料やりは、2月の寒い時期に行われる重要な作業です。
春になると、梨は、桜より遅れて花を咲かせます。真っ白な花で、梨園には幻想的な白が浮かび上がります。国立に住み、国立を愛した作家の山口瞳さんは、高速道路から見た梨の花に感動して「梨の花は雪より白い」と書かれたそうです。
咲いた花が実を付けるには受粉が必要です。ミツバチは梨の花が好きですが、受粉は、ミツバチなどの媒介だけでは不十分で、どうしても人手による花粉付けが必要です。花粉付けを手伝うのは梨園ボランティアのみなさんです。 受粉した花は、まもなく小さな梨の赤ちゃんになります。でも、沢山ついた実をすべて大きくすると、収穫する梨は小粒で、味も落ちるので、摘果作業で収穫する梨の数を減らします。摘果作業に続いて袋かけを行います。
夏が近づくと、地温の上昇を防ぐための藁敷き、実を鳥から守るための防鳥ネット張りと、体力と経験のいる作業が続きます。
このような作業を経て、ようやく見事な梨が実ることになります。


「くにたち・梨園ボランティア」

多種類の梨の生産には多くの作業が必要です。国立では、梨園ボランティアが梨の生産を後押ししています。 「くにたち・梨園ボランティア」は、十数名のメンバーで、2000年、11月にスタートし、各梨園で作業を開始しました。
梨づくりに興味を持たれた方は、ぜひ梨園ボランティアに参加してみてはどうでしょう。応募の仕方は国立市報にも掲載されています。もちろん、若い世代のボランティアも大歓迎です!
「くにたち・梨園ボランティア」の皆さんによる花粉付け
袋かけが終わり、次第に大きくなってきた梨
「くにたち・梨園ボランティア」のみなさんによる敷き藁の作業
見事に実って収穫を待つ梨。沢山の梨が大きく、重くなる秋には、枝を這わせる棚が梨の重みで沈むそうです。
敷き藁作業を終えて、ほっと一息ついている「くにたち・梨園ボランティア」の方々。中央はボランティア代表の平塚慶治さん。谷保の梨を支えているお一人です。

【オマケ】梨についてのクイズ

梨に関する「?」に答えてみましょう。

Q1.梨は何科の植物でしょう?
Q2.梨は、様々な作業のため、枝を棚に這わせます。棚の高さは何で決まる?
Q3.梨は品種で花の咲く時期に差があります。花の咲く時期が早い品種は収穫も早い?
Q4.梨からつくれるアルコールは?
Q5.梨はジャムにできるでしょうか?
答えは、こちらからどうぞ。
【問い合わせ】は、
北島梨園:042(575)1057/国立市谷保736
さとう園:042(576)1177/国立市谷保1508
(文:古川浩一/写真:ながむらゆうこ)

脈々と つなぐ 府中用水

谷保天満宮の裏から湧水に沿って南に下ると、目の前に広がるのは田園風景。夏のある日、田んぼの上をたくさんのトンボが飛んでいます。田畑のまわりを流れる用水には、この日もザリガニ釣りなどに来た子供たちの姿がありました。 くにたちの南部は農業の盛んな地域です。今回は南部一帯を流れる「府中用水」について、その魅力をご紹介したいと思います。

8月4日に「くにたちはたけんぼ」で開かれたイベントの様子。子供たちが用水の生き物探しをしました。ザリガニやヤゴ、ドジョウなど、様々な生き物がいましたよ。なんと鯉の姿も発見。みんな夢中になって追いかけました。

「用水」を知る

「府中用水」は江戸時代初期に、内陸地に水を引き込むため多摩川の氾濫跡を利用して作られました。現在でも梨園や田んぼなどの農業用水として使われています。水は水門で管理されており、毎年5月の下旬から9月末頃までは水が流れています。
(国立3中付近の用水)くにたちの中を流れる府中用水は青空の下、道路や民家、田畑の横を小川のように流れていますよね。これを「開渠(かいきょ)」といいます。最近では「暗渠(あんきょ)」といって、用水の上にふたをしたり道路を作ったりして、まわりから用水が見えないようにしている地域も増えています。
「疎水百選」をご存知ですか?地域の生活に根付いた用水であり、また美しい景観を保ち豊かな生態系を育んでいる用水が、全国から選ばれます。「府中用水」は東京都で唯一選ばれました。

用水で生き物探しをしよう

府中用水には、水が入ると同時に多摩川から様々な生き物がやってきます。日差しが届くので水草も育ち、ゆったりとした流れの用水は、生き物たちにとって住みやすい環境なのです。 また年間通して湧き出すママ下や谷保天満宮の冷たい湧水が用水と合流し、豊かな生態系を育んでいます。
下谷保の用水で捕まえた生き物たち。よく覗くと「ドジョウ、アメリカザリガニの赤ちゃん、ヌマエビ。小魚」がいます。生き物たちを捕まえて持ち帰った場合は、途中で逃がさず、責任を持って最後まで飼うことを心がけましょう。
谷保天満宮下の湧水の流れの中で、生き物探し。ザリガニやドジョウ。ヤゴが見つかりましたよ。とても冷たい水に子供たちも「気持ちいい~」。ご近所の方が野菜や飲料を冷やしていることもあります。

用水を守る 

海の日。市民ボランティアの方たちの清掃風景。
海の日。農家の方たちの清掃風景(下谷保地区)。
府中用水を利用し農業を営む方々が集まった「府中用水土地改良区」組合員によって、年に2回用水の清掃がおこなわれます。しかし農家の減少と共に組合会員も少なくなり、用水の維持管理が年々困難になっているのが現状です。

そこで7月15日海の日に行われた今年2回目の用水清掃では、国立市が市民ボランティアを募り、初めて6名の市民の方が清掃に参加しました。用水の清掃は年に2回だけではなく、日頃から農家の方がそれぞれに行っています。特に用水へ捨てられた空き缶などのゴミ拾いは欠かせません。用水の流れが悪くなり、田畑へ水が入らなくなってしまうからです。

こうした農家の方々の努力によって、これまで用水をめぐる環境が保たれてきたといえるでしょう。私たちも、用水の維持のために、そして、生き物たちの住む希少な場所を未来に残すためにも、何が出来るか、考えていきたいですね。

「ハグロトンボ調査隊」用水やその周辺(ハケの森など)で生息するハグロトンボの生息状態を調べています。継続して調査することで、周辺環境の変化を知ることにつながります。
(調査隊の詳細については「くにたち郷土文化館」 のHP参照)


◎≪ハケと用水がつくる≫里山だいすきガイドマップ◎
用水について学んだあとは、用水散策に出発。

ガイドマップには散策コースや見どころポイントも載っていますよ。
(発行)くにたち郷土文化館 定価200円

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【参考資料】 「くにたちの小さな仲間たち」(1991.3)
国立市動物ガイドブック編集委員会事務局 国立市教育委員会社会教育課
発行 国立市教育委員会

「春の小川の淡水魚―その生息場と保全」(2009.1.15) 2009年(平成21年)1月15日 編著 水谷正一・森淳
発行者 四戸 孝治
発行所 株式会社 学報社

・「多摩川中流域の『府中用水』に関する調査研究」 (研究助成・一般研究vo22-no)

「ハケと用水が作る」里山だいすきガイドマップ」(2010)
発行 くにたち郷土文化館 制作 国立歩記事業部
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(文:つじゆう)

花に魅せられて

野菜にもかわいい花が咲きますが、谷保では色鮮やかで元気な「朝顔」、豪華で魅力的な「洋ラン」を栽培する農家さんがいます。愛情と工夫がいっぱいのハウスに潜入! 朝顔農家さんと洋ラン農家さんにお話をうかがってきました!
さわやかな空色の花、西洋朝顔ヘブンリーブルー。6月下旬のハウスの中で一足先に「こんにちは」 1つの花茎に3~5花つけ葉は丸みをおびています。

朝顔市にむけて

「今年もたくさんの人に来てほしいな。朝顔だけでなく地元野菜の販売もあるからね。」 笑顔で話す佐伯雅宏(まさひろ)さん(写真左下)は、大学生、高校生のお子さんを持つお父さん。実家の盆栽屋を継ぎ朝顔の栽培をはじめて13年。市内の花卉(かき)栽培を代表する農家のひとりです。農協青壮年部の部長、市の児童委員もつとめています。南部の府中用水をたどると見えてくる「朝顔の里」で、「くにたち朝顔市」にむけ4月の種まきから毎日朝顔のお世話をしています。「ハウスの中が暑くて苦労するし朝顔が病気にならないか心配だけど、出荷前は花が全開に咲き見事だよ。」露地ものだと7月には咲かないといわれる朝顔を、朝顔市の7月6日(土)、7日(日)にぴったり合わせて咲かせます。
やさしい表情で撮影に応じてくださる佐伯雅宏さん。みなさんに慕われているのがよくわかります。うしろには4,000鉢の朝顔。窓をあけたハウスでも、この日の温度は38度。「水を均等にあげるのがむずかしいんです」と、おっしゃっていました。
朝顔の里 外観写真①
朝顔の里 外観写真② 朝顔の里に取材に行った日。空は青く澄んでいました。すぐ脇には用水が流れてなんとも涼しげな気分に。

長く咲かせるコツは?

佐伯雅宏さんが育てている朝顔は、「日本朝顔」の富士シリーズ、暁シリーズ、「西洋朝顔」のヘブンリーブルー、フライングソーサー、ミルキーウェイ。日本朝顔は1鉢に4株、西洋朝顔は3株入れています。富士シリーズには、紅、桃、紫、そしてお楽しみで峰か空のどちらかを。「1日に20㎝伸びることもあるよ。鉢から出して地植えにしてもいいし、フェンスの側に置けば自分で巻きついて大きくなります。」と佐伯さん。葉の形や色もさまざまでカラフルな花が顔をのぞかせる朝顔は、表情豊かで愛嬌いっぱい! 上手に長く咲かせるコツは「土が乾いたら朝にたっぷりと水をあげましょう。天気のいい日は2回だけど、あげ過ぎはよくないんです。1日に1回葉がしおれるくらいが丁度いいですよ。」と教えてくださいました。
広いハウスの中には、びっしりと朝顔が並んでいました。
忙しい時期はパートさんの手も借りながらの作業に。写真は、あんどんにつるを巻きつける様子。朝顔は時計回りが好きなんですって。

祝福の白い花 

いろんな話を聞かせてくださる関さん。機械に詳しく、昔の秋葉原や神田のこともよくご存じ。取材班は自家製トマトまでごちそうになり大喜び!
関洋ラン園の鉄骨ハウス。以前ここは梨園だったそう。
ハウスの中。胡蝶蘭を成長した順に並べています。
梨園の3代目がハウスに建て替え、お子さんの成長にあわせてはじめた花栽培。「シンビジウム、カトレアもやったけど、今は、長くもつ胡蝶蘭。」「うちはハウスにエアコン付けたの早かったんだよ。」と、関正武(まさたけ)さん。研究と試行錯誤を繰り返し洋ランを育てています! 「昔は苦労したけど、いろんな発想でやってきました。鉢に氷水をかけたこともあったよ。」 温度を2つにわけた、高温室(ストック部屋といい25°C以上にしたハウス)と、開花室(最低温度を15°Cにしたハウス)をつくり、1年中サーモグラフィで管理。どの季節にもランが咲くよう、1日、10日、20日のサイクルで鉢をストック部屋から開花室に移します。花びらにしみができないよう除湿機をかける工夫をしたりと365日洋ランのことを考え、40年の月日をかけて今の状態を作り上げました。 胡蝶蘭は主に贈答用なので自分ではなかなか育てる機会がないけれど、真っ白な花に癒され優雅な時を過ごしてみたいもの。最初に咲いた花は満開になるまでずっと咲き続けるので、長い間楽しむことができます。 ▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽ 【育て方のコツ】 室内の窓際に置いて、常温の水を週に1回ほど。ミズゴケに植わっているのでたっぷり水をあげたあとは少し根を乾かすくらいに。花がしおれたら花芽を切って来期に備えます。ぜひトライしてみましょう! ▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△▲△ (文:Aki/写真:ながむらゆうこ)
2013年7月6日(土)、7日(日)大学通りにて 「くにたち朝顔市」が開催されます。佐伯雅宏さんの朝顔がいよいよ販売! 詳しくは http://kunitachi-agri.jp/e/?2021 「第25回くにたち朝顔市実行委員会(国立市商工会内)」
関さんの洋ランお問い合わせは、関洋ラン園まで 関洋ラン園:042(576)5559 その他、トマトやサニーレタス、ミョウガなど旬の野菜を、くにたち野菜しゅんかしゅんかで販売中。(不定期)

ベッカライしゅんた

ドイツ、スイスのベッカライで働き、季節ごとの生活にも触れながら修業を積んだ金子俊太さんが、国立に店を構えて17年。開店当初から、昔ながらのドイツパンの製法を大事にパンを作っています。店内に入ると、シンプルなドイツパンからはじまり、惣菜系やスイーツ系のパン、焼き菓子等がずらり。パンに合う惣菜もすべてが自家製、季節にあった素材にこだわります。朝8時のオープンと同時にお客さんでにぎわう店内には、カフェスペースも併設。カフェで提供されるセットメニューでは、自家製スープや特製ピクルスも味わえ、幅広い年代の方に人気があります。「ベッカライしゅんた」は、国立駅から富士見通りをまっすぐ歩いて10分ほど。右沿いに現れる白壁のビルの1階。店内を見渡せるぬくもりのある大きな木枠の窓と、ピンクののぼりが目印です。

今が旬!地元トマトにかぶりつく

採れたてトマトの美味しさを知っていますか? 生でサラダに、お弁当の彩りに、加熱してスープやピザに。1年じゅう大活躍のトマト。 でも、地元くにたちで採れたてのトマトの美味しさを知ったら、もっともっとトマトが好きになること間違いナシ!

一番おいしいトマトの食べ方は、採れたてのトマトを氷水で冷やして、かぶりつく! 口いっぱいに広がる甘さとお日さまの香り…まさに夏の至福。地元くにたちで元気いっぱいに育ったトマトならこの贅沢が味わえます。

ハウスのトマトは温室そだち? いいえ、スパルタ育ちのトマトです。

国立市随一のハウストマト農家の佐伯誠三さん。12月下旬の苗植えからトマト作りが始まります。ハウスへの植え付けが2月。それから収穫の5月末~6月末までに、水をやるのはなんと2回だけなんだそうです。 トマトの育て方は農家さんごとにこだわりがあります。 「トマトは水をやりすぎると甘く育ちません。牡蠣殻や魚粉などのカルシウムたっぷりの肥料で土作りをし、葉の様子を見ながら水をやるタイミングをはかります。」
1200本の桃太郎トマトの木が植えられている専用ハウス。気温が5℃以下になると暖房が入ります。今年は気温が高いのでトマトの育ちが良く、ハウストマトは6月末には出荷が終わる見込みだそうです。 佐伯誠三さんのトマトは、国立市内の学校給食に使われているほか、しゅんかしゅんか(直売MAP16)、とれたの(直売MAP13)、たましん国立支店駐車場前の直売所(直売MAP17)、みのーれ立川で販売されています。
たくさんの実をつけるトマトの木と佐伯誠三さん。受粉作業もひとつひとつ手作業で。4月半ばから出荷が始まります。 「お店から家に買って帰った時に一番美味しくなるようなタイミングで収穫します。冷蔵庫に入れず常温で保存して、食べる直前に冷やして食べてみて下さい」

露地のトマトは太陽の恵みたっぷりに育ちます

中央自動車道近くで露地トマトを栽培する佐伯和弘さん。牛糞などの肥料で土づくりをして、苗を植えるのは4月中旬。ハウストマトに比べると降雨があるとはいえ、やはり水を与えるのは苗の時だけ。太陽の光をたっぷりあびて、6月上旬から収穫が始まります。「露地トマトは、病気や鳥害があり苦労もありますが、露地トマトの味が好きだという方がおられるので、作り甲斐がありますね」
400本の桃太郎トマトが植えられています。6月上旬から7月中旬まで毎日収穫しているそうです。太陽の光をたっぷり浴びたトマトが大きく育っていました。
佐伯和弘さん。「ここのトマトは矢川駅北口近くの直売所(直売MAP5)と湯楽の里(東京都国立市谷保3143-1「フレスポ国立南」内/直売MAP18)で販売しています。収穫したてのトマトをどうぞ味わってください」

トマトってどんなふうに育つの? 

梅雨の晴れ間の高気温で、ぐんぐん育つトマトたち。赤くなるのももうすぐです。
10㎝ぐらいの苗を育てるところからトマト作りがスタート。育苗期間は1か月半ほどです。最初の花がついたころ、畑に植えます。写真のようにトマトの木は成長しながら下から実をならせていきます。枝が分かれるところにかたまって実がなっていくんですね。実がなるところを下から1段、2段と数えるそうです。 着花してからの「積算温度」(毎日の平均温度を足していった数字)が900℃になると収穫を迎えるそうです。 最初の実の収穫は畑に植えてから2ヶ月後ぐらいから。今年は暖かいのでハウスも露地も例年より早めだそうです。 1本のトマトの木から4~5㎏のトマトが収穫できるんですって。
トマトはこんな風に重なって大きくなるんですね。茎についている白ひげのようなところで、空気中の水分をとりこんでいるので、乾燥した土の方が甘くなります。 この白ひげの部分を土に挿すと根が出てくるんだそうです。(あずまきみこ)

アジア創作料理 くにたちABIMANI(アビマーニ)

昼は国立西地域のマダム御用達、夜は研修中の方や仕事帰りの方々の憩いの場でいつも大賑わいのお店、くにたちABIMANI(アビマーニ)
富士見通りを郵政研修所に向かって進み、研修所入り口手前、左側にファミリーマートが見えたら、右側の自転車店手前の道を入ったところにあります。
料理はアジア創作料理。櫻井オーナーの作る料理はどれも野菜たっぷりで美味しく、居心地の良い店内でついつい長居をしてしまいます。
サイドメニューのエビトーストは皆が頼む超人気。手作りジンジャーエールと共に「国立名物」として愛されています。

ランチにはおかわり、飲みかえ自由のドリンクがつきます。
期間限定で地元のショップや教室などとのコラボ「925(くにっこ)ランチ」はデザートつきでさらにお得です。
店内はワンちゃん同伴可能。

居酒屋ぶちえらい

国立駅南口から徒歩1分。西友となりのビル2階に2012年5月1日にOPENした居酒屋ぶちえらい。山口県出身の店主 藤村典史(のりふみ)さんが作る山口料理の数々。名物の瓦そばに、長門市風焼き鳥などの他、山口の日本酒は15種類以上の取り揃えがあります。そして、毎日変わる黒板メニューには、くにたち野菜を使った料理もあり、その日のオススメが掲載されています。昭和を感じるレトロな店内には、いつも元気のいいスタッフの声が響き渡っています。

国立市ではちみつが採れるって?

国立市には現在市民養蜂家が6人ほどいらっしゃいます。養蜂箱の数でいえば25箱くらい。では年間どのくらいのはちみつが採れるのか?というと一般に1箱で約20キロと言われています。つまり現在国立市では約500キロのはちみつが採れているという計算になります。もっとも20キロというのはうまくいった場合の話。天候や病気、ダニや農薬などさまざまなリスクもあって、安定してはちみつを採取するのは簡単なことではなさそうです。 くにたち蜜源ガーデンのタイムの花の蜜を採るミツバチ

市民養蜂家へのインタビュー

今回、国立市の養蜂の状況を知るために、2年前から始められたくにたち蜜源ガーデン、そして「くにたち花と蜜蜂の会」の佐伯有行さんにお話をうかがってきました。 谷保にあるくにたち蜜源ガーデンの市民養蜂家はお二人。2009年のKFまちかど教室で開催された「ミツバチがつなぐ夢」という連続講座を受講して一念発起、2011年から養蜂を始められました。くにたち蜜源ガーデンの広さは約350坪、地主さんのご好意で箱を置かせていただいています。そしてNPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション(略称KF)NPO法人みつばち百花ボランティアメンバーが蜜源となる野菜やハーブを育ててサポートしています。現在蜜源ガーデンに植えられている植物は夏野菜のほかにタイム、ボリジ、ラベンダーなどのハーブ類。これからはひまわりやキバナコスモスの花も咲き始めます。まだ3年目とあって苦労もたくさんあるようですが、少しずつはちみつの収穫も増えています。
5月のくにたち蜜源ガーデンの様子。夏野菜と奥がハーブガーデン。
2012年の用水路わきの圧巻ひまわり。今年も咲きます!
そして佐伯有行さんは、養蜂歴10年。東京都養蜂協会の理事も務められています。佐伯さんの夢は、はちみつを国立市の特産品にすること。ただしそうするには少なくとも年間1トン程度のはちみつを安定して確保したいところ。1トンつまり養蜂箱50箱分です。しかし現状では50箱というのは難しい、と佐伯さん。まず蜜源である花の絶対量が足りない。ミツバチの数を増やすには、一時的に花がある状態ではなく、年間通して餌となる花(それもミツバチが好む花)が必要なのです。確かに国立市の南部は宅地化が進み田畑が減ってきています。しかし「これから努力して雑草地等を利用し、さらに蜜源となる植物を増やしていきたいですね」とのお話でした。
ミツバチは「とにかく不思議で面白いことだらけ」なのだそう。「たとえば1つの箱のミツバチは全員同じところで蜜を採取するんですよね。箱ごとで行き先が違う。これって不思議じゃないですか」佐伯さん、とてもうれしそうにお話して下さいました。
写真は、佐伯有行さん。

ミツバチついて

この取材をするにあたって私も少しミツバチの生態を勉強してみました。まず働き蜂はメス。同じように生まれたメスのうち、ロイヤルゼリーを餌に育った幼虫が女王蜂になります。働き蜂の寿命は1カ月ほどですが、女王蜂は1~3年、長いもので6年も生き延びるそうです。オスは、女王蜂に精子を提供するだけ。巣の中でも何もせず、女王蜂と交尾をした後死んでしまいます。 こうやってミツバチの生態を知り、実際に養蜂箱のミツバチをみていると、ブンブンと怖かったミツバチが「かわいい!」と思えてくるから不思議です。
ミツバチのことを詳しく知りたい方は NPO法人 みつばち百花http//bee-happy.jp/PT@国立http://bee-happy.seesaa.net/ 「ミツバチ来てたよ、大調査」を実施中です。ミツバチが花に訪れている写真を場所、日時を記載の上、happy-bee@outlook.comまでお送りください。詳細はみつばち百花のサイトをご覧ください。蜜源となる植物のデータベースもあります。 現在登録300種類!

 

ミツバチと農業、そして私たち

ミツバチははちみつ採取だけではなく、農業にとっても重要な存在です。ミツバチが受粉することによって、野菜に実がつきやすくなります。私たちが美味しく野菜を食べていられる後ろには、ミツバチの影の働きがあるのです。 ミツバチへの恩返しに蜜源となる花を庭に植えてみませんか。ミツバチが好む花はたくさんありますが、特にハーブ類は大好き。そしてこれからは大好物のヒマワリの季節ですね。家庭菜園をされているなら、周りに花を植えてみてはいかが。きっとミツバチが受粉を助けてくれるでしょう。 ☆現在国立産はちみつは売り切れ状態が続いています。今年の採蜜もそろそろ。入荷までもうしばらくお待ち下さい。
くにたち蜜源ガーデンで作業中の養蜂家
くにたち蜜源ガーデンのハーブ畑。チャイブの花がかわいい。
(文:むらかみくみ/写真:ながむらゆうこ)

始めよう野菜づくり

国立市の旬で新鮮なお米や野菜を紹介してきましたが、4月の特集では、「国立市にある農園と野菜作り」について紹介します。自分で野菜を作ってみたいけど、初めの一歩が踏み出せない方も少なくないはず。今回は、この春、国立市と市民と農家でスタートさせた体験型農園、『くにたちはたけんぼ』の企画・運営者の一人である小野さんと、貸し農園で野菜を育てる辻さんにお話を伺ってきました。 自分で丹精込めて育てた野菜や果物は、おいしさも倍増です!

『くにたち はたけんぼ』の農園祭のひとコマ。 田んぼ作りで、トラクターの体験に挑戦中。 たくさんの親子が行列を作りました。

くにたちはたけんぼ 始まりました

国立市と市民と農家でスタートさせた体験型農園である『くにたちはたけんぼ』がこの春から始まり、3月30日(土)には、オープンを記念したイベントとして、農園祭が開催されました。 農園祭では、平地から田んぼを作る体験ができたので、私も参加しました。私にとって、田んぼ作りは、初めての経験。みんなで土を踏み踏みして畦を作り、トラクターで土を耕し、お昼には田んぼの形が出来上がっていたので、こんなに早くできるんだ、と驚きでした。田んぼには稲は植えず、じゃがいもを植えました。聞いてみると、‘裏作’で、じゃがいもを育てて6月に収穫し、その後田んぼにするそうです。‘裏作’、小学校で教わったのを思い出します。 当日は肌寒かったので、ホカホカの煮ぃ団子(「国立の暮らしを記録する会」提供」)ができあがるのを今か今かと待ち、「お餅つきあがりましたー!」の声で、子どもたちと一緒に行列に並び、国立産の菜の花とのらぼう菜を新潟産もち豚で巻いた肉巻きバーベキュー(やまもりカフェの出張)で、旬の野菜を味わいました。子どもたちは、どろアート広場で泥だらけになって遊んだり、やぎやヒツジに餌やりをしたり。午後に行われた「谷保の農園と自然を訪ねるツアー」では、農家さんや農のプロジェクトを訪ね、‘谷保の農園と自然マップ’を作りました。
想像以上にたくさんの人が参加していて、若い人が多かったのが印象的でした。大人も子どもも一日楽しめるイベントになりました。
「よいしょー!」の掛け声で餅つきする佐藤一夫国立市長。谷保のもち米を使ったつきたてのお餅は、いくらでもおなかに入ります。
当日は小雨が降る中、およそ100名が参加しました

くにたちはたけんぼ ってなに?

以前、国立市には、たくさんの農地がありました。しかし、その農地は、都市計画・税制・後継者不足などにより、ここ20年で半分に減少。近隣の農地が減っていくことに危機感を抱いた農家・NPO・市民・企業の立場の違う4名が集まり、くにたち市民協働型農園の会(農園の会)を結成しました。国立市に残る田んぼや畑を未来につなげたい。国立市の協力も得て、そんな思いを実現する、体験型農園をスタートさせました。それが『くにたち はたけんぼ』です。
農業に少しでも興味がある方なら、『くにたち はたけんぼ』を通し、様々な形で、畑・田んぼ作りに関わることができますよ! 以下、『くにたち はたけんぼ』を楽しむ4つのスタイルです。(※はたけんぼパンフレットより引用)
・イベントに参加する 四季折々の「畑の幸」をみんなで収穫し、採りたて野菜を楽しむ「農園祭」を開催します。
・グループで畑を始める 「畑を利用してなにかを発信したい」という企業、NPO、市民サークルなどの団体に畑をお貸しします。
・田んぼの一年を見届ける 田んぼの一年を季節ごとに体験。11月の収穫祭で、新米をいただきます。
・農園マスターになる 「野菜づくりを人に教えられる」「農園を運営できる」人材を育成します。
くにたちはたけんぼのある場所は、以前は、梨園だったそう。
「農家が高齢で梨園ができなくなったこの土地を市民農園にするという話もあったが、より多くの、いろいろな人たちが楽しく過ごせる農園を作りたいと思った」と、農園の会の小野淳さん。
くにたちあぐりッポは、国立の農業を取材する市民ライターとして、もっと農業を知るために、くにたちはたけんぼに畑を借りることにしました。
『じゃがいもには‘へそ’があり、その逆側に芽が生える。なので、へそを見つけて、芽を等分にするように切る。また、じゃがいもは乾燥が敵なので、切り目に砂を付けて植える。』早速教わったことです。実際にやってみると、知らないことばかりということに気づきます。
じゃがいも以外には、サラダ菜やサンチュ、苺なども植えました。「採りたてサンチュで焼き肉やりたい」と話しながら、みんなで盛り上がりました。なお、あぐりッポ畑の様子は、あぐりッポのFacebookページ( http://www.facebook.com/agrippohatake )に随時載せていく予定です。野菜作りに奮闘する様子をお伝えできたらと思います。(写真左が小野淳さん)

子どもと一緒に土に親しもう! 

辻友さんの写真。真っ黒に日焼けした二人のお子さんと一緒に、楽しみながら野菜作りをしています。
様々な形で国立の農に関わることができます。 例えば、この梨園では、ボランティアを募集して、梨の花粉付けや袋かけ体験をしています。
貸し農園で野菜を育てる辻友さんは、8歳と6歳、二人の子どものお母さん。
「元々、子どもたちが好きだったので、畑を借りました。自分の庭のように思っていて、週に一回は、リアカーをひいて畑に遊びに行きます。」と辻さん。お弁当を持って、朝から夕方まで遊ぶそうです。野菜を育てる他に、カエルやドジョウを捕って遊んだり、バーベキューしたり。「教えてもらい楽しみながらできるので、自分たち家族に合っています。」と話します。
話を聞いて、近くにこういうところがあってよかった、と思いました。私の田舎でも、畑が近くにあって野菜を育てていましたが、その時のことは今もよく覚えています。畑で、自分で育てること、採りたての新鮮な野菜を食べること、外で思いきり遊ぶこと、自分の娘にもぜひ経験させたいことです。
国立市には、今回紹介した「くにたちはたけんぼ」以外にも、たくさんの市民農園やもぎとり農園があります。自分スタイルの野菜作りを始めてみませんか?
(文:おおつかさき/写真:ながむらゆうこ)
【What’s 煮ぃ団子?】
煮ぃ団子とは、小麦粉に水をまぜて練った団子。昔から、谷保の農家で忙しい農作業の合間に食べられていた日常食です。にんじん・ごぼう・大根・油揚げなど、好きな野菜を入れてよく煮込みます。かつては、小麦を作っている農家も多かったそうですが、谷保で小麦を作っている農家は、以前より少なくなりました。

多摩の伝統春野菜 のらぼう菜

のらぼう菜という春のお野菜をみなさんはご存知ですか?知名度は少しずつ高まってきていますが、まだまだ知られているのはごく一部のよう。スーパーなどではなかなか並ぶことのないのらぼう菜は、主に直売所で販売される人気もの。今がまさに旬なので今月はこの「のらぼう菜」について一緒にみていきましょう!

のらぼう菜は秋撒きの野菜で3月半ば頃から採れはじめます。見た目は、かき菜と似ていますが、かき菜に比べ、のらぼう菜の茎は太く、茎に甘味があります。収穫時期に違いもあり、かき菜のほうがのらぼう菜に比べ、1〜2ヶ月ほど早い時期に採れはじめるそうです。

のらぼう菜とは

のらぼう菜は菜の花の一種で、アブラナ科の野菜。アブラナ科には他に、大根、カブ、ブロッコリー、キャベツ、水菜、小松菜、白菜・・・と、たくさんの野菜が属しています。これらの多くが、地中海から西アジアにかけた地域から中国を経て渡来したものとされ、のらぼう菜もまさに!といいたいところですが、実のところはっきりしていません。わかっていることは、江戸時代に、東京西多摩 あきる野・五日市周辺で栽培が広まり、天明・天保の飢饉の際にこの菜花のお陰でこの地域が救われたということ。今では、東京都あきる野市五日市で、春の訪れを告げる特産の地野菜として知られています。
『明和4年(1767)9月、幕府の関東郡代・伊奈備前守(カントウグンダイ・イナビゼンシュ)忠宥(タダオキ)により、闍婆菜(ジャバナ)の種を五日市の名主に配付し、採油用や救荒作物として栽培を奨励しました。天明・天保の飢饉の際、この菜花のおかげでこの地域の住民が救われたという碑も残っている。その後いつのまにか「のらぼう菜」と名を変えて、東京都あきる野市日の出町を中心とした東京西郊から埼玉県飯能市などに伝わりました。(分布範囲は南は神奈川県川崎市多摩区菅地区 から北は埼玉県比企郡ときがわ町大野地区あたりまで) 』 ※お野菜Who’sWho 野口種苗、五日市のらぼうより引用
のらぼう菜のおかげで五日市の住民が救われたという内容が記された碑が、 あきる野市日の出町小中野の子生神社に現存しています。

谷保でも育ってます!のらぼう菜

谷保の農家さんでのらぼう菜をつくっている、杉田重明さんと鈴木政久さんにお話を伺ってきました。杉田重明さんは家業を継いで31年目の2代目。鈴木政久さんは13年目にして15代目。どちらも8月15日前後に種を育苗、10月前半に畑に移し、3月上旬から収穫が始まります。農薬は一切かけずに育てるお二人の のらぼう菜。今年は、寒い日が続いて、伸びが遅いと思ったら、ここに来て暖かい日が続き、一気に伸びはじめて収穫が大変だとおっしゃっていました。
そして、気になるのは農家さんの食べ方。おひたしやからし和え、天ぷら、かき揚げにして食べるよ と教えていただきました。
鈴木政久さん、杉田重明さんの のらぼう菜は、谷保駅近くのJA富士見台支店駐車場で月曜日、金曜日にお買い求めいただけます。(4月~10月:15時~/11月~3月:14時~)
鈴木政久さん(左)、杉田重明さん(右)
鈴木政久さんの畑にて撮影。
「暖かくなって、一気に伸びてきてさー」と、鈴木政久さん。 撮影にお邪魔した日はちょうど即売日。 お昼を食べる間がないほど、袋詰めなどの準備に大忙しでした。

「Let’s cooking!」の巻 

上には、ポーチードエッグが添えられているこのお料理。 まずは、タマゴは割らずに、お召し上がりください。 ほんのりからしの効いたのらぼう菜には甘みもあり、絶品! 次に、上に乗っているタマゴを割って、からめてみてください。ね、ほらっ。また、味の印象が変るでしょう? ひと皿で2度おいしい、素敵なお料理で嬉しくなりますね。
今回は、今までと趣向を変え、編集部さとうが飲食店さんにのらぼう菜を持参して、一品つくってください!とお願いしてレシピをいただいてきました。のらぼう菜をどうやって食べたらいいかわからないという、そこの奥様!必見ですよ!

ご協力くださったのは、国立駅南口、「和食屋 みやはん」(国立音楽大学附属幼稚園近くのビル2階)。 オーナー 宮寺利昌さんにつくっていただいたのが『のらぼう菜のからし和え』です。

春の訪れを、視覚でも味覚でも感じることができる幸せ。 ぜひ、みなさんも、このレシピ(※レシピはこちらから)を元につくってみてください。ほかにも、のらぼう菜のおいしい調理法があれば、ぜひ編集部まで。

(文/写真:さとうひろき)

つくしんぼ、発見!


つくしんぼ、発見!

つくしんぼ、発見!

つくしを見ると、ああ、春が来たなぁと実感します。
子どものころ、祖父と一緒に田んぼの畦道や、川べりの土手まで行ってつくしをたくさん採り、帰宅すると新聞紙にそれらを広げて、手を真っ黒にしながらみんなでハカマを取るのが春の楽しみでした。ハカマを取り除いたつくしは、祖母が甘辛く煮て佃煮にしてくれました。自分がとったつくしを、家族みんなで、白いご飯の上にのせてハフハフっと食べる。この味は、格別でした。今年の春は、自分でこの佃煮作りにチャレンジしてみようかな。

うどん・居酒屋 ふく助

自動車整備工場を改装してつくられたという店内は、天井が高く開放的な空間の『ふく助』。昼間は、自家製のめんを使用したうどんを中心に、夜は魚を中心とした日本酒・焼酎の豊富な居酒屋という2つの顔を持っています。うどんは、しっかりした歯ごたえの武蔵野と、もちもちな食感の讃岐から選べ、お昼の時間には、地元野菜を中心に8〜10種類のお惣菜も用意されています。「キッズスペースがあるのでお子様連れでも安心して来店いただけます」と、店長 冨沢敬(たかし)さん。自家製うどんのお持ち帰りも可。駐車場4台分あります。

イタリア料理 Fioretto

国立駅と谷保駅を結ぶ、大学通り沿い「国立高校前」バス停のすぐ前にRistorante Fiorettoはあります。OPENは2005年11月。オーナーシェフの江花照郎さんは、国立のイタリアンで7年間シェフを務めた後、イタリアへ渡りさらに経験を積み、帰国後、全てが手づくりの小さなイタリアンの店 Fiorettoを国立に構えました。厳選された魚介は山口県の荻から直送されたものを使用し、野菜は地元のものを中心に鮮度ある野菜を季節により使い分けて使用しています。手打ちパスタや自家製のパンやデザートと共に、ゆっくりした時間を過ごしてください。

佐伯雅宏

国立を彩るパンジー・ビオラの苗も育てています


スポーツ好きの佐伯雅宏さん。中学の時はハンドボールに夢中になり、今はゴルフとバイクを楽しむ。息子さんはアメリカンフットボールの日本代表で、「海外への遠征費用が大変」と、相好を崩しながら話をされる、魅力的な農家さん。

7月第1土曜日・日曜日に開かれる国立の朝顔市の朝顔は、3月の種まきから出荷まで、雅宏さんの畑の「朝顔の里」で育てられ、育成を統括しているひと。朝顔市が過ぎると、翌年の春に街を彩るパンジーやビオラの苗作りをしています。

作るのは花だけでなく、長ネギ、里芋、白菜、ピーマン、トマト、なす等々、多種類の野菜を作って、東京みどり農協富士見台支店駐車場(月・金曜)、北市民プラザ駐車場(水曜)で販売中。

花で市民を和ませ、新鮮な野菜で市民に元気をもたらしている佐伯雅宏さんは、花に魅せられたひとり。

(文:古川 浩一/写真:ながむらゆうこ)

くにたちの学校給食

みなさんは、国立市の公立小学校、中学校の学校給食に、くにたち野菜が使われているのをご存知でしょうか? 今月は、市内8校の小学校の給食を作っている、第1給食センターにお邪魔して、栄養士の横山萌さんと、山本真由美さんからお話を伺ってきました。

※第1給食センターは全員で30名。栄養士さん2名、調理員さん25名、事務員さん3名で運営されています。左上ボーダー姿の女性が横山萌さん、右隣に山本真由美さん。

3550食分のごはん

国立市立学校第1給食センターは1968年(昭和43年)9月に設立されました。当時は、小学校5校、中学校2校の5400食分の給食を担当していたそうですが、その後、中学校分は第2給食センターに。現在の第一給食センターでは1日当たり小学生3550食分の給食を作っています。

学校給食は、学校給食法等に基づき、適切な栄養の摂取や望ましい食習慣を養うことのほか、明るい社交性や協同の精神を養うなどの目標があります。その目標のもとに、栄養士さんは、献立作成、食材の発注から納品、調理の作業工程の指導、衛生管理などをしています。

そしてチームワークが大切な給食調理の現場。毎日全員で打ち合わせを行い「調理器具の数やスペースに限りがあるので、手順上、問題がないかなど確認しています」と栄養士の横山さん。「苦手な食べ物を克服できるよう、ペーストにしたりして視覚的に分からなくすることもありますが、食育の観点からは、そうして認識せずに食べることは、果たしていいものかという葛藤もあるんです」と教えてくれました。

第1給食センター

※中学校3校の給食を担当している第2給食センターは1976年(昭和51年)1月に設立。現在スタッフは全員で16名(栄養士さん2名、調理員さん13名、事務員さん1名)。今年度は1日当たり1550食分の給食をつくっています。第1と第2をあわせると、5100食分に。
1000人分の調理ができる大きい鍋が8個。その他に、揚げ物用の鍋3個、蒸し器1台の調理設備があります。ですが、その大きい鍋でご飯、汁物、炒め物をつくらなければならないため、調理員さんと確認し合い、手順を丁寧に考えることが重要。

食中毒防止のために、野菜は3回洗い、野菜は全て加熱したものを提供。

くにたち産のデザート

くにたちの採れたて野菜は、複数の農家からNPO法人 地域自給くにたちを通して納入されます。今年の納入量は全体から見て10%程度。去年に比べ、夏の暑さや冬の寒さの厳しさから野菜の生育が悪く納入量が減少。ですが、「地元野菜は新鮮で美味しく、地元に農家があることを子どもたちに教えられるという大きなメリットがあるので、これからもできるだけ多くの地元野菜を給食に取り入れて行きたい」という横山さんの言葉が印象的でした。

中でも子どもたちに人気なのが、くにたち産の梨をつかった「梨ゼリー」や、くにたち産のほうれん草をつかった「ほうれん草アイス」に「ほうれん草パウダーをつかったナン」など。センター自ら開発し、意欲的にメニューに取り入れています。開発を担当した栄養士の山本さんは、「関係者の方々のご縁で生産者や加工業者さんも紹介いただきました。支えてくださった皆様に感謝しています」と笑顔でおっしゃっていました。

ほうれん草アイス(農家の佐藤英明さんが企画)
栄養士さんが手書きでつくる こんだてメモ。
取材当日(1/16)のものが左、右にはほうれん草パウダーを使ってつくった、子どもたちに人気のほうれん草のナンが載っています。

『おいしーい!』の声があふれる給食時間 

1/16(水) 取材当日の給食 右下のみそ汁の根菜がくにたち野菜です。
給食センターに取材&見学に行かせていただいた同じ日。 お隣の国立市立国立第五小学校1年生の給食時間にもお邪魔してきました。 その日の献立で、くにたち野菜(大根、白菜、ほうれん草)がつかわれていたのは根菜のみそ汁。子どもたちに「今日のお味噌汁には、くにたちのお野菜がつかわれているんだよーっ!」というと、一斉に「おいしーい!」の声。みんなあっという間に平らげていました。
(文/写真:さとうひろき)

谷保のちむにぃ

谷保駅北口から徒歩2分。
宴会場のあるカラオケ屋、店頭では自慢の焼き鳥と手作り惣菜の販売をしています。
そして、ちむにぃの奥といえば居酒屋さん。
ちむにぃ おがわ陽子さんは、採れたての野菜を自ら市内の直売所で選び、
季節を感じる料理を提供しています。
「旬は野菜たちの一番元気な姿
その野菜の力と
その野菜をつくる仲間たちの力をいただき
明日もまたがんばれる
そんなお料理をみなさんにご紹介したいと思います」と、おがわ陽子さん。
今までこっそりやってたスパイスたっぷりカレーを
谷保野菜と天神米の力をかりて5月よりおすすめ料理で提供開始。
谷保の玉葱の力をかりた、絶品チキンライスも!

vege a table Cafe Topinambour

ベジ・ア・ターブル カフェ・トピナンブール。国立駅南口より大学通りをまっすぐ歩き、紀伊国屋スーパーの脇を入ってまっすぐ70メートルほど。オレンジ色の屋根瓦と黄色いお花の小さな看板が目印で右手に見えてくる民家。駅から徒歩7分。ドアをくぐり、一歩中へ入ると、ウッディな内装が木の温もりを感じさせる。オーナーで料理研究家の顔を持つyoshiさんは、旬の野菜や穀物、豆、天然調味料などを厳選。肉類・魚介類・乳製品・卵などの動物性食材を使わないマクロビオティックやベジタリアン料理を基本に、幅広いベジ料理を創意工夫しています。

旨さ凝縮!冬の白菜

鍋に入れる具材で浮かぶ野菜はいろいろありますが、白菜なしでなんて考えられません!
他にも漬け物に炒め物にと、冬の食卓に並ぶ頻度の高い白菜。

今月は、白菜をつくる谷保の農家さんにお話を伺ってきました。

※あつあつの鍋。ダシがしみ込んだ白菜は冬の食卓を温かく包みこむ。

家族でつむぐ野菜の輪

三田廣(ひろし)さんは電気技師を経験した後、 40歳頃から家業の農業を継いで今年で25年目。
なすをはじめとして、キュウリ、トマト、ブロッコリー、大根、ほうれん草、小松菜など多品目に作っています。冬のこの時期には白菜とほうれん草、ブロッコリーが主力。
中でも白菜は、ポットで芽が出るまで育て、9月中旬に畑に定植した「お黄にいり」という品種が、現代の冷蔵庫事情を考慮した小さいサイズの優れモノ。また9月後半に直播きした「黄ごころ75」は植え付けから約75日前後で収穫できるという品種で、サイズは2.5kgほどに成長します。
「アブラムシや青虫対策をしっかりしないと品質のいいものがつくれないので土づくりや野菜の状況に気を配っています」 と教えてくれました。
三田廣さんのお野菜は、息子の高徳(たかのり)さんと栄美(えみ)さん夫婦が経営する店舗『やさいと喫茶 MOROGORO』でもお買い求めいただけます。
ウッディーな外観と温もりあふれる店内のMOROGORO。
国立駅北口から徒歩6分。

元・車掌のBIGな白菜

青柳の自宅裏の畑で野菜を育てる佐藤恵(けい)さんは、 谷保農家の15代目で、元ブルートレインの車掌長という経歴の持ち主。幼い時から父親の農作業を手伝っていたので、身体にノウハウが染み付いているそう。
今つくっている品目は、白菜をはじめ、長ねぎ、かぶ。他の時期には、つるなしインゲン、そら豆、えんどう豆、キャベツ、玉ねぎ、ロロンカボチャ、そして、初夏の頃にはマクワウリをつくっています。
恵さんの白菜は、「金将2号」という品種。9/10頃に撒き、11/23頃から、 しっかりと結球したのを見計らって適宜 収穫開始。取材に伺った時はもう畑からたくさんの白菜が羽ばたいていったあとでしたが、3.5kgはゆうに越えていそうなふくよかな白菜がまだまだ霜にも負けず育っていました。
佐藤恵さんは現在76歳。畑で育てた白菜の多くをご近所さんに無料で配ったりもしたそう。なんと!(もう少し早く畑の写真を撮りにいけていたらと後悔・・・編集部)
こちらは、生で食べてもあまく、肉質が柔らかいかぶの「スワン」
9月下旬に植えたものを、ただいま絶賛収穫中。

冬の野菜と寒さのおいしい関係 

保存は、乾いた数枚の新聞紙で包み、ベランダや冷暗所に。根の部分を下にして立てかけておけば、2〜3週間は保存できます。(※横に寝かせての保存は自身の重みで傷みやすいので立てて保存して下さい)

前回のほうれん草のときにもご紹介したように、冬の寒さを迎えると野菜自身が体内のデンプンを糖に変えて凍らないようにするので、自然と甘みが増します。白菜にもその性質があり、さらに霜にあたると繊維が柔らかくなるので、凝縮した旨味を感じやすくなると言われています。

三田廣さんの白菜は、やさいと喫茶 MOROGOROくにたち野菜しゅんかしゅんかで、佐藤恵さんの白菜は、くにたち野菜しゅんかしゅんかでお買い求めいただけます。

『やさいと喫茶 MOROGORO』

国分寺市富士本1-22-3 国分寺ヴィレッジ富士本102

042-573-1788 (※木・金曜日定休)

(文/写真:さとうひろき)

中平ほうれん草王国

おひたしに、胡麻和え、お雑煮の具に、くにたちのほうれん草はいかがでしょうか?
日を重ねるごとに寒さが厳しくなり、甘みを増してきている ほうれん草。

今回、代々ほうれん草をつくる谷保の中平(なかだいら)3軒の農家さんにお話を伺ってきました。

※中平・・・旧谷保村の中央部に位置し、村の真ん中の平地で最も起伏のない地区。城山のあるあたり。
遠藤常臣さんのほうれん草の品種はサプライズ。 葉色が濃く、葉が肉厚なのが特徴。

寒さで甘くなるほうれん草

「野菜自身が凍結しないように糖度を増すから、甘くなるんですよ」農家の7代目 三田栄作さんは、ゆっくりした口調でそう教えてくれました。栄作さんのほうれん草は、他の農家も一目置くほどの出来映え!国立インター近くの多摩青果市場に出荷しています。今つくっている品種は、葉肉が柔らかく、葉色が濃いというハンター。土への栄養はイネ科のソルゴーという緑肥を夏前に植え、秋に農機を使って、土に鋤き込み肥料にしてから、ほうれん草の種を撒くそう。そうすることで土が柔らかくなり、水はけがよくなって育ちやすい土になるそうです。

※緑肥とは植物の葉や茎を田畑に鋤き込んで腐食させ肥料とするもの。
栄作さんは、市場出荷専業の農家。
残念ながらあまり直売所ではみかけることができません。
霜除け・害虫予防にサンサンネット(平織り被覆資材)やパオパオ(←名前がかわいい!不織布被覆資材)をかけるというこだわりも。

黄金のサイクル

遠藤常臣さんはサラリーマンを経験した後、40歳で農業を継ぎ今年で24年目。
常臣さんの畑 中屋農園では、毎年夏に生で食べてもあま~いトウモロコシ ピクニックコーンのもぎ取り販売をしています。夏のもぎ取りが終わると、そのトウモロコシの葉や茎を、土に鋤き込み、冬に向けてほうれん草を植えるという黄金のサイクルがあります。イネ科のトウモロコシとアカザ科のほうれん草を畑で交互に植えることで微生物が繁殖し土が柔らかくなり、連作障害も押さえられて、一石二鳥のサイクルだそうです。トウモロコシを植えていない他の畑では、木材チップがそのトウモロコシの代わりになり、さらに化成肥料を施し土作り。毎年9月20日前後から順々に種を撒きます。
遠藤常臣さん 家族と一緒に。4世代の集合写真。
生産量がピークの1~3月は1日600束の量(!!)を出荷する日もあるとか。

マルチでつくる1万8千束のほうれん草!! 

保則さんのほうれん草の品種は、サプライズとプラトンの2種類。10/11に撒いたものが今まさに出荷されている。
保則さんの畑。マルチが敷かれていました。 これは、3月に収穫される予定のほうれん草で、品種はプラトン。 越冬栽培に適したほうれん草。
父親の定男さんは今年73歳。間引き(大きく育てるために大切)最中のワンショット。 ほうれん草の他に、人参・里芋・長ねぎ・じゃがいも・ ブロッコリー・キャベツ・白菜などを育てています。
こちらは、サラダほうれん草。保則さんはほうれん草の種植えをシーダーマルチャーという機械を使って撒くのですが、こちらは、父親の定男さんが手で撒いています。
エグ味のもとのシュウ酸が少ないサラダほうれん草は、生食でも食べられます。色も鮮やかなので、サラダの彩りに添えてみては?
杉田保則さんは大学卒業後、サラリーマンを経験。30歳で実家の農業を継ぎ、今年で17年目。
保則さんの作り方は先述したお二方とはまた違い、マルチ(根元を覆う農業用フィルムのこと)を敷いて育てています。マルチの長所は、①乾湿の差がない/②雨が根元に一気に入り込まない/③水分保持できる(ほうれん草は冬野菜なので乾燥しがち。マルチをすることによって水分を保持できる)と教えてくれました。
そして、もう1つの違いは土作り。牛堆肥と苦土石灰と、とある肥料(企業秘密!)を入れて、土作りに励んでいるとのこと。ほうれん草が終わると、ブロッコリーを植え、半年ごと交互に生産しています。
遠藤常臣さんのほうれん草は、とれたの、くにたち野菜 しゅんかしゅんかで、
杉田保則さんのほうれん草は、とれたの、くにたち野菜 しゅんかしゅんか、土曜日のたましん国立支店駐車場での即売にてお買い求めいただけます。
【おまけ】
三田栄作さんはお正月に食べる黒豆もつくっています。写真は乾燥させているところ。取材に行かせていただいた日、ちょうどその最中でした。もう少し乾燥させた後、大きさや色、形の選別を1人もしくは2人でやるそう。それが結構大変な作業なんだよと教えてくれました。こちらは乾燥を終え、12月半ばから出荷開始。
数に限りはありますが、とれたの、くにたち野菜しゅんかしゅんかで取り扱いがあるそうです。
(文:さとうひろき/写真:田中えり子・小林未央)

フランス料理 マルセル

国立駅南口を背にして、右に伸びる富士見通りを15分ほど歩くと、右手にフランス国旗が掲げられたウッディな外観の店が現れる。オーナーシェフ秦 浩康さんは2年間 フランスに渡り、南青山シェ・ピエールや神楽坂サン・ファソンを経て、1996年11月に地元国立に店を構えました。
料理の素材には、立川市 鈴木農園の無農薬野菜を中心に、くにたち生まれの旬の野菜やフランスの素材を厳選。
季節ごとのスペシャリテを旬の野菜と共に味わってみてください。

秋の蜜源ガーデン

11月中旬。谷保にある「国立蜜源ガーデン」では、冬到来の前にミツバチたちがせっせとブンブンお仕事をしていました。キバナコスモスやソバの花が咲き、ミカンが大豊作。写真の上の方に映っている黒い点はゴミではなくて、働くミツバチたちです。

 

●くにたち蜜源ガーデン
ミツバチのための蜜源を育てる活動を、地主さんと市民養蜂家、NPO法人(KF人間環境キーステーション及びみつばち百花)が協働で行なっています。

 

KF人間環境キーステーション
http://human-environment.com

 

 NPOみつばち百花
http://bee-happy.seesaa.net

 

和食屋 みやはん

国立音楽大学附属幼稚園そばのビルの2階。
敷居の高いイメージのある懐石料理だが
修業時代に培ってきた技術をもとにしながらも、
気軽に立ち寄れるお食事処でおもてなしをしたいと
2001年にOPENした和食料理をいただけるお店。
ランチタイムは旬のものを使った御膳から選べ、
夜はアラカルトかコースから選び、
お酒を飲みながらゆっくりくつろぐことができます。

フランス料理 ルミエールドゥソレイユ

オーナーシェフの武田均さんは4年間 フランスに渡り、日本でも各地のレストランで修行の後、 2004年国立に店を構えました。 料理の素材には、山梨 東八代郡から届く新鮮な無農薬野菜や、くにたち生まれの旬の野菜、 神奈川 川崎市で農家をしている義弟が作るこだわり野菜、 宮城の荒浜港から直送される鮮度抜群の魚介類を厳選。
腕によりをかけたフランス郷土料理の数々を、肩のチカラを抜いて、 ゆったり流れる時間と共に味わってみてください。 この梨のデザートは「前菜からメインまで食べたあとのデザートとしてつくったものだから  お客様には一つの流れで味わっていただきたい」 と武田さんは笑顔で仰っていたのがとても印象的でした。

くにたち村酒場

OPENは2012年5月。  くにたち野菜しゅんかしゅんかプロデュースの飲食店。 くにたちの約30軒の農家さんから仕入れる旬な野菜を 本場イタリアで腕を磨いた堤太郎シェフがアレンジ。 くにたち野菜の今をワインと一緒に楽しめる。 地元野菜を使っておいしい料理と元気を作る、 地元応援型コミュニティ・ダイニング。

くにたち菜園BOOK



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くにたち菜園BOOKをぜひご覧ください!
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野菜づくりや農業・畑に興味にある方に向けた
小冊子
「くにたち菜園BOOK」が完成しました。


 東京都国立市で、誰でも利用できる「農イベント」「農サークル」に加え、
市民農園・体験農園などの一覧MAPが掲載されています。
ほかにも、野菜作りカレンダーなど初心者向け情報満載です。


天下市本部テント&国立農業案内所(土曜のみ)で配布し、
後、市役所など市内各所に置かせていただく予定です。


この冊子の制作は、あぐりッポスタッフもお手伝いしました!


国立農業案内所(土曜のみ)では
国立市でとれた新米「天神米」の即売会や
お米を使ったアクセサリー作りも行われます。
お子さまの喜ぶ田んぼの生き物たちもやってくるそうです。


【開催日時】2012年11月3日(土)10時~18時


[主催]国立市産業振興課 農産係
「農業・農地を活かしたまちづくり事業」


天下市のホームページはこちら

あぐりッポ写真館オープン!

畑に虹が出ました! あぐりッポ写真館のページはこちら


このページは、「あぐりッポ写真館」というタイトルで、 くにたちの畑や田んぼを中心に、 農のある風景スナップをご紹介するページです。 季節毎にうつろいゆく国立の豊かな里山の情景を、 旬を感じながら、お楽しみ頂けようなページにしていく予定です。

金麦!

金麦!といってもお酒ではありません。
これぞまさしく黄金色。キラキラ光り輝く麦畑。
風が通りぬけるたびに、畑に金の波がたってきれいです。

北島義昭

義昭さんのこだわりは

平成6年から国立第七小学校前、農産物共同即売所で仲間と野菜を販売している北島義昭さんは農業をはじめて26年が経ちました。北島家は、なんと540年も前から代々続く谷保農家さん。つくっている主な野菜は、ほうれん草、キャベツ、ブロッコリーなどで、お米も大切に育てています。

そんな義昭さんのこだわりは、有機肥料を使うことと、農薬の使用量を最低限に抑えてつくることだそう。食べる人のことを考え、安心して食べてもらえるようにとの心遣いは、健康が一番大事だからとの考えから。

そして、広い面積を持つ義昭さんを支えているのは、市民農業塾を卒業したボランティアの方々だそう。「いまでは、何も言わなくても段取りよく作業して下さって、本当に助かっているんです」と、にこやかに語ってくれました。

(文:さとうひろき/写真:ながむらゆうこ)

高橋和男

長年の経験を生かした野菜作り。給食用の野菜で、国立の子供に元気を!

高橋和男さんは、スーパーに勤務されていましたが、父の跡を継ぎ、農業を始められました。話を伺いに行った10月中旬には、人参、ネギ、かぶ、なす、ラディッシュ、大根、タマネギ、ジャガイモ、ミニカリフラワー、キャベツ、のらぼう菜、里芋、白菜など、多品目に野菜育てています。

とくに下仁田ネギはビックリする位に太くなっていて、これからの鍋シーズンを待っているかのようでした。 和男さんが出荷する先は「しゅんかしゅんか」と「とれたの」「たましん国立支店駐車場」で、市内小中学校の給食センターにも納めています。

趣味は旅行で、すでに30 回以上東南アジアに奥様と出かけているそう。近場しか行けないのは、野菜作りのため長期間の留守ができないから。スーパー勤務時代には魚の担当だったそうで、料理はお手のものとのこと。和男さんは、農業に精を出し、また旅行と家庭生活を楽しむ素敵な農家さんです。

(文:古川 浩一/写真:さとうひろき)

遠藤好一

珍しい野菜を育てています!

身体があまり強くなかったお父さんに変わり、中学校卒業後から就農した好一(よしいち)さん。昔は、おばあさんと一緒に、なすと胡瓜を育て、市場に出荷していたそう。

そんな好一さんが多品目に野菜を作り始めたのは、ここ10年くらいの話。国立駅南口にある多摩信用金庫駐車場前で土曜日だけの地場野菜販売が始まったのをきっかけに、様々な野菜に挑戦しています。ひょんなきっかけから加賀の伝統野菜である「金時草(きんじそう)」に出会い、それから毎年つくっているのですが、市内では好一さんだけ。葉裏が紫色をした不思議なこの野菜は、火を通すと、少しぬめりがでてクセになる人が多いお野菜です。その他には、ハヤトウリ、ずいき、のらぼう菜、菜心(さいしん)など、スーパーでは、なかなかみることのない野菜のオンパレード!

(文:さとうひろき/写真:ながむらゆうこ)

田中賢治

珍しい野菜をつくるのは、飲食店勤務の経験から

新宿に生まれ、飯田橋や神楽坂の飲食店に勤務していた田中賢治さんは、結婚を機に、義父がやっていた農業を継いだ農家の1人。

義父に農業の手ほどきを受けた田中さんは、珍しい野菜づくりに挑戦しています。義父の時代には、なす、小松菜、ほうれん草などの野菜を市場に出していましたが、今では、直売メインの作付けに。私達が11月末に伺った畑で、まず見せて頂いたのが、成育中のロマネスコ(カリフラワーと同じように芯のところにできる)でした。その隣の畝には、紅芯大根、聖護院大根や、農業展の宝船の飾りに使用した赤い大根(黄河紅丸)も育ち、他の畝では、紫キャベツが大きくなっていました。

 他に市内農家11名とカプサイシンが多く含まれている唐辛子の栽培にも挑戦しています。栽培を始めて2年目で、栽培方法について仲間と試行錯誤を重ねているとのこと。ただし、この極辛の唐辛子は、業務用で契約栽培のため、お店で買うことは出来ません。

田中さんは、農業を始めてみて、仕事が天候に左右されるので定期的な休みがないことに戸惑ったそうですが、今では農協のいくつもの役員を兼務しながら、2人のお嬢さんを育てるお父さんです。

(文:古川 浩一/写真:さとうひろき)

柳澤一彦

夏でも冬でも、雨でも雪でも、早起きして畑に。

先代は、1日に200ケースの谷保なすを市場に出荷していたのだという柳澤家。一彦さんの得意な野菜は、ほうれん草と小松菜。

趣味は、野菜や花を育てることという一彦さんは根っからの土いじり好き。農業をする前は、サラリーマンでマーチャンダイジングをしていた経験から、お客さんがどんなものを欲しいのか考えながら、いいものをつくる努力を積み重ねています。

「除草剤は土の中の微生物を殺してしまい、いいものが出来なくなるから」と、今日も朝4時に起きて、手作業で雑草をとっています。

(文/写真:さとうひろき)

土方忠夫

カラフルな野菜を育てています

鍵屋さん、酒屋さんなどを経験した後、実家の農業を継いだ忠夫さんは、青柳で3代目の農家さん。お父さんの篤治(とくじ)さんと共に、国立の畑と山梨の畑で様々な野菜を育てています。こだわりは、なんといっても、馬糞堆肥による土づくりと、無農薬もしくは、減農薬で育てることだそう。


つくっている野菜は、黒にんじんや、紫カリフラワー、紫キャベツに始まり、中が紅色の紅くるり大根、三浦大根など珍しいお野菜も。新しい品種にチャレンジすることも多く、トライ&エラーの繰り返しだよと、おっしゃっていました。


そして、お母さんの照子さんは、試行錯誤をしながら仕上げるのに5年もかかったというこだわりのピールを、無農薬で育てた夏みかんや柚子をつかって手づくりしています。甘みの中に、ほろ苦い夏みかんや柚子の皮の味が効いて、おとなも楽しめる贅沢なお味です。


(文:さとうひろき/写真:ながむらゆうこ、さとうひろき)

澤井豊弘

サラリーマンから5代目農主へ

豊弘さんは恥ずかしがり屋さん、でも、お茶目な面も。青柳自宅の裏にある畑で育てる野菜はきれいに区画分けされ、30品目ほど作っています。取材に伺ったのは5月中旬。そのころには、夏野菜のきゅうり、なす、とうもろこし、いくつもの種類のトマトをはじめ、空芯菜、かぼちゃ、たまねぎ、じゃがいも、さといもなどが作付けされていました。
できるだけ農薬をかけずに育てたいからと、丁寧にそれぞれの野菜の成長を見守る豊弘さん。「なすの花が咲いた時や、トマトに実がなり色づく過程を見ているが嬉しくってね」と、微笑みながら話していたのが印象的でした。

「今までも、たくさんの品種を色々な方法で試してきたけれど、また来年には違う品種で違う作り方をしているかもしれないよ」と意欲的で研究熱心な言葉も。

(文:さとうひろき/写真:ながむらゆうこ)

ひよこ豆

OPENは2011年4月。 旬を大事にしながら、気取らず、毎日食べられる料理をコンセプトに 塩糀や糀を使った料理やスィーツでのんびりランチタイムを。 昼間はCAFEとして、夜はBARの顔 ( GARBANZO : ガルバンゾー) を持つお 店。 家庭では少し手をかけるのが面倒でやめてしまうことも どこかに混ぜ込んで作っていきたい と、宮崎さんは和やかに語る。 だから、ひよこ豆さんの料理は、細部にとってもあったかい優しさを感じるのだ ろう。

谷保の米

豊かな水の恵みを受けて、昔から稲作の盛んな国立・谷保。 今年も、安心安全・おいしいお米がたくさん実りました!

北島直芳さん一家。米のほか、ブロッコリーやキャベツ、トマトなど多品種の野菜を生産。後ろに見えるのが谷保天満宮の杜。

水の豊富な米どころ

「今年は心配した高温障害もほとんどなくて、例年通りのいい出来ですよ」 笑顔で語る北島直芳さんは、江戸時代中期から続く農家の20代目。 そう、この夏は猛暑で雨が少なかったけれど、谷保の田んぼには水がたっぷり。府中用水(多摩川水系)と崖線下から湧き出す湧水の水が、網の目のように地域を流れているのです。
府中用水土地改良区の理事長もつとめる父親の正雄さんは、今年80歳。昔は夫婦二人だけで広大な田んぼをすべてこうやって手刈り、何日もかかる作業でした。
家族で稲運びのお手伝い。今では機械の助けもあって、家族だけで二か所の田んぼの稲刈りを一日で終了。

田んぼがある 風景

府中用水に水が流れるのは毎年5月20日ごろから9月20日ごろまで。田植えは6月上旬、7月末には土用干しで一週間ほど水抜きするなど、コメ作りの基本は水管理だそう。 「稲が自分から根を張って強くなるように、工夫するのです。農家にとって水はいちばん大切だけれど、地域にとっても田んぼがある、って大事なことじゃないかな」と直芳さん。 まさに! 田んぼには多様な生き物もいっぱい、まわりは気持ちのいいお散歩コースになっています。
台風が来る前日、10月3日に稲刈り完了。これが終わると一気に秋が深まります。
環境省のレッドデータにも載る希少なトウキョウダルマカエル。田んぼのまわりでゲコゲコとかわいい声が聞こえます。

谷保産・天神米

左から杉田重明さん、北島薫さん、鈴木政久さん、佐伯達哉さん、北島直芳さん。11月23日の谷保天満宮の新嘗祭には、お礼を兼ねて新米を奉納する予定。
10月上旬に収穫された新米は、順次あちこちで販売中。 とくに今年の話題は「天神米」。右写真の5人の農家が企画し、10数人の米農家が賛同して、地域特産を目指しての発売にこぎつけました。 「農家では春、その年の豊作とあわせて家内安全・学業成就を祈願しながら、谷保天満宮で種もみにお祓いをしてもらいます。自家用で食べている米をみなさんにも食べてもらえたらと」 品種はキヌヒカリほか数種、消毒もできる限り抑えてゼロから1,2回がほとんどで、収穫後の燻蒸もありません。 貴重な農ある風景を支えている谷保のお米、お早めにどうぞ。
谷保産天神米。 袋裏に生産者と収穫年、品種を明示。1キロ400円(玄米350円)、もち米500円。放射能検査済み・不検出。 販売はJA富士見台駐車場(月・金14時〜)や北市民プラザ(水・13時半〜)、7小前の直売所のほか、谷保駅北口商店街の「チムニー」にて。大学通りの天下市(11月2日〜4日)、また国立市農業展(11月17日、18日@JA富士見台駐車場) でも予定。