Vol.7 国立市ではちみつが採れるって?

国立市には現在市民養蜂家が6人ほどいらっしゃいます。養蜂箱の数でいえば25箱くらい。では年間どのくらいのはちみつが採れるのか?というと一般に1箱で約20キロと言われています。つまり現在国立市では約500キロのはちみつが採れているという計算になります。もっとも20キロというのはうまくいった場合の話。天候や病気、ダニや農薬などさまざまなリスクもあって、安定してはちみつを採取するのは簡単なことではなさそうです。 くにたち蜜源ガーデンのタイムの花の蜜を採るミツバチ

市民養蜂家へのインタビュー

今回、国立市の養蜂の状況を知るために、2年前から始められたくにたち蜜源ガーデン、そして「くにたち花と蜜蜂の会」の佐伯有行さんにお話をうかがってきました。 谷保にあるくにたち蜜源ガーデンの市民養蜂家はお二人。2009年のKFまちかど教室で開催された「ミツバチがつなぐ夢」という連続講座を受講して一念発起、2011年から養蜂を始められました。くにたち蜜源ガーデンの広さは約350坪、地主さんのご好意で箱を置かせていただいています。そしてNPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション(略称KF)NPO法人みつばち百花ボランティアメンバーが蜜源となる野菜やハーブを育ててサポートしています。現在蜜源ガーデンに植えられている植物は夏野菜のほかにタイム、ボリジ、ラベンダーなどのハーブ類。これからはひまわりやキバナコスモスの花も咲き始めます。まだ3年目とあって苦労もたくさんあるようですが、少しずつはちみつの収穫も増えています。

5月のくにたち蜜源ガーデンの様子。夏野菜と奥がハーブガーデン。
2012年の用水路わきの圧巻ひまわり。今年も咲きます!

そして佐伯有行さんは、養蜂歴10年。東京都養蜂協会の理事も務められています。佐伯さんの夢は、はちみつを国立市の特産品にすること。ただしそうするには少なくとも年間1トン程度のはちみつを安定して確保したいところ。1トンつまり養蜂箱50箱分です。しかし現状では50箱というのは難しい、と佐伯さん。まず蜜源である花の絶対量が足りない。ミツバチの数を増やすには、一時的に花がある状態ではなく、年間通して餌となる花(それもミツバチが好む花)が必要なのです。確かに国立市の南部は宅地化が進み田畑が減ってきています。しかし「これから努力して雑草地等を利用し、さらに蜜源となる植物を増やしていきたいですね」とのお話でした。

ミツバチは「とにかく不思議で面白いことだらけ」なのだそう。「たとえば1つの箱のミツバチは全員同じところで蜜を採取するんですよね。箱ごとで行き先が違う。これって不思議じゃないですか」佐伯さん、とてもうれしそうにお話して下さいました。
写真は、佐伯有行さん。

ミツバチついて

この取材をするにあたって私も少しミツバチの生態を勉強してみました。まず働き蜂はメス。同じように生まれたメスのうち、ロイヤルゼリーを餌に育った幼虫が女王蜂になります。働き蜂の寿命は1カ月ほどですが、女王蜂は1~3年、長いもので6年も生き延びるそうです。オスは、女王蜂に精子を提供するだけ。巣の中でも何もせず、女王蜂と交尾をした後死んでしまいます。 こうやってミツバチの生態を知り、実際に養蜂箱のミツバチをみていると、ブンブンと怖かったミツバチが「かわいい!」と思えてくるから不思議です。

ミツバチのことを詳しく知りたい方は NPO法人 みつばち百花http//bee-happy.jp/PT@国立http://bee-happy.seesaa.net/ 「ミツバチ来てたよ、大調査」を実施中です。ミツバチが花に訪れている写真を場所、日時を記載の上、happy-bee@outlook.comまでお送りください。詳細はみつばち百花のサイトをご覧ください。蜜源となる植物のデータベースもあります。 現在登録300種類!

 

ミツバチと農業、そして私たち

ミツバチははちみつ採取だけではなく、農業にとっても重要な存在です。ミツバチが受粉することによって、野菜に実がつきやすくなります。私たちが美味しく野菜を食べていられる後ろには、ミツバチの影の働きがあるのです。 ミツバチへの恩返しに蜜源となる花を庭に植えてみませんか。ミツバチが好む花はたくさんありますが、特にハーブ類は大好き。そしてこれからは大好物のヒマワリの季節ですね。家庭菜園をされているなら、周りに花を植えてみてはいかが。きっとミツバチが受粉を助けてくれるでしょう。 ☆現在国立産はちみつは売り切れ状態が続いています。今年の採蜜もそろそろ。入荷までもうしばらくお待ち下さい。

くにたち蜜源ガーデンで作業中の養蜂家
くにたち蜜源ガーデンのハーブ畑。チャイブの花がかわいい。

(文:むらかみくみ/写真:ながむらゆうこ)