Vol.11 みずみずしい!国立産の貴重な梨


国立・谷保の梨園では、今年も美味しい梨の収穫と全国各地への出荷が始まりました!






収穫と直売が始まった8月13日に、佐藤梨園に来て、全国の親戚や知り合いに梨の発送を頼みに来たお客さん。列をなし、順番を待ちながら、試食用の梨を味わっています。


谷保は多摩川梨の産地


多摩川流域は、「多摩川梨」という名称で区別されるほどの梨の名産地です。谷保にはかつて30〜40もの梨畑がありましたが、今は、佐藤梨園と北島梨園のみ。「美味しい梨を味わって欲しい」という強い思いは、二つの梨園に受け継がれて、手間を掛けた梨作りが行われています。






梨農家の北島将臣さん。北島梨園は、40~50年前の祖父の時代に始まり、今は2代目の康雄さんと3代目の将臣さんが管理・運営されています。






佐藤梨園を経営している佐藤英明さん。背景にある梨畑は昭和39年のオリンピックの年に作られたそうで、開設時に「幸水」の木が植えられました。当時、「幸水」という名前は付けられておらず、新品種に与えられる番号で呼ばれていたそうです。


谷保の梨は全国に!


谷保で採れる梨の多くは、箱詰めされて全国に発送されます。発送先は北海道から沖縄まで。とても評判が高く、親戚や知人に送ると喜ばれるので、「来年もぜひ!」となります。全国各地への発送が年々増えているので、谷保の梨を買うには、こまめに梨園に足を運ぶとよいでしょう。






一家総出の箱詰め作業に追われる佐藤梨園。収穫した梨を大きさで分け、箱詰めして、全国各地に発送します。






北島梨園の開花風景。この写真は用水路を挟んだ高台から撮ったもの。



谷保で収穫される梨の種類




谷保では、いくつもの品種の梨が作られています。佐藤梨園が最初に収穫・出荷するのは「幸水」、その後「稲城」「秀玉」「豊水」「秋月」「南水」「二十世紀」「新星」「新高」などが10月まで収穫され、発送されます。
北島梨園では、「豊水」と「新高」が中心です。




梨が実るまで




梨作りは冬から始まります。冬は剪定作業と元肥やり。剪定は、4~5年先の枝の伸びる状態を考えての大切な作業で、肥料やりは、2月の寒い時期に行われる重要な作業です。

春になると、梨は、桜より遅れて花を咲かせます。真っ白な花で、梨園には幻想的な白が浮かび上がります。国立に住み、国立を愛した作家の山口瞳さんは、高速道路から見た梨の花に感動して「梨の花は雪より白い」と書かれたそうです。

咲いた花が実を付けるには受粉が必要です。ミツバチは梨の花が好きですが、受粉は、ミツバチなどの媒介だけでは不十分で、どうしても人手による花粉付けが必要です。花粉付けを手伝うのは梨園ボランティアのみなさんです。
受粉した花は、まもなく小さな梨の赤ちゃんになります。でも、沢山ついた実をすべて大きくすると、収穫する梨は小粒で、味も落ちるので、摘果作業で収穫する梨の数を減らします。摘果作業に続いて袋かけを行います。

夏が近づくと、地温の上昇を防ぐための藁敷き、実を鳥から守るための防鳥ネット張りと、体力と経験のいる作業が続きます。

このような作業を経て、ようやく見事な梨が実ることになります。




「くにたち・梨園ボランティア」


多種類の梨の生産には多くの作業が必要です。国立では、梨園ボランティアが梨の生産を後押ししています。
くにたち・梨園ボランティア」は、十数名のメンバーで、2000年、11月にスタートし、各梨園で作業を開始しました。

梨づくりに興味を持たれた方は、ぜひ梨園ボランティアに参加してみてはどうでしょう。応募の仕方は国立市報にも掲載されています。もちろん、若い世代のボランティアも大歓迎です!






「くにたち・梨園ボランティア」の皆さんによる花粉付け






袋かけが終わり、次第に大きくなってきた梨






「くにたち・梨園ボランティア」のみなさんによる敷き藁の作業






見事に実って収穫を待つ梨。沢山の梨が大きく、重くなる秋には、枝を這わせる棚が梨の重みで沈むそうです。




敷き藁作業を終えて、ほっと一息ついている「くにたち・梨園ボランティア」の方々。中央はボランティア代表の平塚慶治さん。谷保の梨を支えているお一人です。


【オマケ】梨についてのクイズ


梨に関する「?」に答えてみましょう。



Q1.梨は何科の植物でしょう?

Q2.梨は、様々な作業のため、枝を棚に這わせます。棚の高さは何で決まる?

Q3.梨は品種で花の咲く時期に差があります。花の咲く時期が早い品種は収穫も早い?

Q4.梨からつくれるアルコールは?

Q5.梨はジャムにできるでしょうか?

答えは、こちらからどうぞ。

【問い合わせ】は、

北島梨園:042(575)1057/国立市谷保736

さとう園:042(576)1177/国立市谷保1508

(文:古川浩一/写真:ながむらゆうこ)