Vol.29 魅力いっぱいの国立産キウイフルーツ

 国立は日本初のキウイフルーツ栽培地!

 

甘酸っぱい味と素敵な香り、そして手軽で扱いやすく、すっかりポピュラーな果物になったキウイフルーツ。今年も、国立産キウイフルーツの季節がやってきました。

 

くにたちカルタの「に」の札は、『日本初 キウイ栽培 発祥地』です。
その発祥の地は、国立市西2丁目の市街地の中にある、澤登晴雄氏が設立された「農業科学化研究所」の農地。
ここでキウイフルーツ栽培が行われたのは昭和49年でした。

 

今、その地は氏のお子さんたちに受け継がれ、摘み取りできるキウイフルーツの果樹園として市民に親しまれています。
果樹園の一角には、氏の筆になる「土にまなぶ」という文字が刻まれた石碑と、氏を称える顕彰碑が建てられています。
碑を見て歴史に思いを馳せながら、様々な種類のキウイフルーツを家族で摘み取るのも楽しいものです。
ちなみに、今年の開園は10月24日(金)からの約1か月間(雨天の日は中止)です。

 

このキウイフルーツ畑の1年を追ってみます。

 

澤登晴雄氏の顕彰碑

澤登晴雄氏の顕彰碑

 

キウイフルーツ栽培の1年

 

秋に収穫が終わると、キウイフルーツ畑の木々には枯葉が残り、休眠期を迎えます。
翌年の収穫のための作業は、真冬の休眠期に行われる剪定から始まります。

5月には蕾がつき、やがて開花の季節を迎えます。
キウイフルーツの花は、写真のように可憐なものです。
この時期、澤登さんの畑では、摘蕾(てきらい)、花粉散布と大忙し。
摘蕾は、果実を大きくするために蕾の数を少なくする作業。
開花すると、受粉を助ける花粉散布が行われます。
ニュージーランドから輸入された花粉が、手動式の噴霧器で散布されます。

収穫が終わったキウイフルーツの木々

収穫が終わったキウイフルーツの木々

 

剪定作業

剪定作業

 

花が終わると、もう小さな実がついています。
6月になると、まだ小さいが、まさしくキウイフルーツの形をした実が枝にぶら下がります。

この小さな実が、夏に大きくなり、秋の収穫を待つことになります。

 

キウイフルーツの花

キウイフルーツの花


花粉の噴霧器

花粉の噴霧器

 

秋の収穫

 

 澤登さんの農園では、10種類以上の品種が栽培されています。
澤登さんの畑で採れるキウイフルーツは店には出荷されていませんが、開園されているときに訪れると、緑色系では「ヘイワード」「グリンシル」「エルムウッド」「国立43号」など、黄色系では「紅芯」など、各品種の特徴を聞いて、摘み取りを行うことができます。
とくに「国立43号」は、キウイとサルナシを掛け合わせて、この地で作出されたオリジナルな品種。ぜひ摘み取って、賞味してみたいものです。

なお、自家製のジャムも買えます。 

 

まだ小さいキウイフルーツ

まだ小さいキウイフルーツ

全国に広まったキウイフルーツ栽培

 

 キウイフルーツは、澤登晴雄氏と関係のある方が各地で栽培を始め、いまでは四国各県、九州各県、和歌山県、石川県、静岡県、山梨県、千葉県など、全国で生産が行われるようになりました。
国立の地で最初に栽培されてからわずか40年ほどで、全国各地で栽培されるポピュラーな果物になったわけです。
私たちが果物店やスーパーで目にするキウイフルーツは、これらの産地や海外からの輸入物です。

でも、国立にも美味しいキウイフルーツが育てられていますよ!

 

盆栽の技術を生かしたキウイフルーツの栽培

 

佐伯彰さんは、谷保の久保地区にある自宅の庭でキウイフルーツを栽培し、販売されています。
佐伯さんのキウイフルーツは美味しいと評判が高く、季節が近づくと、販売の時期についての問い合わせがくるほどです。

 

佐伯さんの自宅を訪れると、自分で作った棚いっぱいにキウイフルーツの枝が誘引され、庭を覆っています。
そして棚の下には、いくつもの盆栽の鉢。
どうやら、佐伯さんのキウイフルーツ栽培のノウハウは、盆栽の技術に由来しているようです。

佐伯さんは盆栽を趣味とするサラリーマンでしたが、退職を機にキウイフルーツを中心に、デコポンやはるみ等、柑橘類の栽培を始めました。
またナスなどの野菜もつくりました。
それらは自家消費分を越えて採れるので、自宅にて1袋100円程で通りがかりの方に売り始めました。

 

現在、佐伯さんが栽培しているキウイフルーツは、赤や黄色系の品種で、「紅美人」「紅姫」「アップル」「ゴールデン」「レインボー」。
苗はホームセンターとインターネットで購入されたそうで、とくに人気が高いのは「紅姫」とのことです。

 

十分に根を伸ばすことができない狭い鉢で、大木を思わせるような枝ぶりに仕立てる盆栽。
佐伯さんは、ときには実のなる果物の盆栽も手掛けたそうです。
木全体を考えて太陽の光を当て、肥料やりに気を配るという盆栽で培った知識や技術を、佐伯さんはキウイフルーツの栽培にも生かしました。
太陽の光を最大に利用できるよう、キウイフルーツの枝を道路から見える庭いっぱいに誘引する棚を自分で組み立てたため、「キウイフルーツが実る家」として知られているそうです。
果物の盆栽では受粉が大切。
同じようにキウイフルーツの開花時には、受粉の作業に大忙しとのことです。
このように盆栽の技術を応用したことによって、1本の木で1,000個以上を収穫できるそうです。

 

鈴なりのキウイフルーツ(佐伯邸の庭)

鈴なりのキウイフルーツ(佐伯邸の庭)

魅力いっぱい!国立産キウイフルーツ

 

日本初のキウイフルーツ栽培地に広がるキウイフルーツ畑。
街中にあるその地で、歴史を感じながら、家族そろっての摘み取りを楽しみ、緑色系が中心のキウイフルーツを手にし、甘さと酸味を味わうことができます。

また、谷保の地を歩いていると、盆栽技術を生かして、自宅の庭いっぱいに枝を誘引して太陽を浴びさせ、肥料やりを工夫しながら育てた、甘さが売りの赤色、黄色系のキウイフルーツに出会うことができます。

 

国立産のキウイフルーツは魅力、楽しみがいっぱいです!

 

(古川)