Vol.15 熱帯うまれの秋冬の人気者


ここ、くにたちでも多くの農家さんがつくっている野菜の1つ、里芋。
里芋はあの粘りや味が好きな人も多いですが、その反面、調理するのが面倒なのよね!という声も聞きます。
そんなあなたに、つるんと剥ける方法ものちほどご紹介します。簡単にできるのでぜひお試しくださいね。
まずは、里芋の歴史や栄養価からみていきましょう。






矢澤綱吉さんと里芋の育つ畑にて。


熱帯うまれの身体によい野菜


原産地は、インド東部からインドシナ半島にかけてという説が有力。日本に渡来したのは縄文時代の後期より古いとされ、古来より愛されてきました。

里芋は、タンパク質、ビタミンB、Cなどを多く含み栄養価が高いのが特長です。しかも、食物繊維が豊富で水分が多く低カロリー。ヌメリの成分のムチンは、胃粘膜を保護して胃腸の機能を高める作用があり、もう1つの成分のガラクタンは、免疫力を高める効果があるとも言われています。これからの受験シーズン、まさに頼もしい味方になりそうです。


里芋のかたまりを解説


スーパーでは、ほとんど見かけないのが親イモや、子イモ。どちらも粘りが少なくホクホクでおいしいのですが、これを買えるのも直売所だからこそ。
そんな里芋は下記写真のように、中心の大きなイモ(親イモ)を囲むように子イモがつき、さらにその周りに孫イモ (里芋)がつきます。






横から見た様子。親イモ>子イモ>孫イモ(里芋)とつけていくことから、子孫繁栄の象徴と伝えられています。


里芋が好きなもの、苦手なもの








収穫したばかりの里芋をみせてくれる綱吉さん。1つ1つが大きく立派な里芋です。


市役所近くの畑で里芋を栽培している矢澤綱吉(つなよし)さんは、農業を始めてもうすぐ70年のベテラン農家さん。毎年、5月中旬ころ畑に里芋を定植し、11月に入って収穫しはじめます。
里芋は、熱帯うまれだけに、水が大好き。そして、乾燥と寒さが苦手な性質があります。
「夏の間、陽が沈みかけた夕方から、用水で汲んだ400ℓの水を畑まで軽トラックで運び、それを真っ暗になるまで往復7回、水やりをしているんだよ」と、綱吉さん。おいしい里芋をつくるのは、なかなか大変なのです。


「田んぼ」で里芋!?


「里芋を田んぼで作っているひともいる らしい」という情報を得て、探してみたら・・・。谷保の米特集でお世話になった北島直芳さん、トマト特集の佐伯誠三さんと、直売所特集の北島義昭さんがつくっていました。
田んぼというのは、稲を育てる場所、とばかり思っていたので驚きましたが、聞いてみると、とっても理にかなった栽培方法でした。

つまり、乾燥が苦手で水が大好きな里芋の性質から、
1)灌漑(かんがい)しやすいので水があげやすい
2)ねっとりしていて、煮崩れしにくいものができる
というわけです。なるほど、なるほど。

※灌漑(かんがい)とは、農作物の生育に必要な水を、水路を引くなどして供給し、耕作地をうるおすこと。
※田んぼでつくる農家さんは他にも何人かいらっしゃるそう。


保存の仕方


12月中旬、土方忠夫さんの畑に伺って、保存しているところを見せていただいてきました。里芋は寒いところが苦手なので、霜が降りるまえに畑から掘り起こし、地下室で保存したり、2mくらい掘った土の中に埋めて保存します。
土方さんは、前者の地下室で保存されたものの中からいいものを選りすぐって、来年の種イモにするそうです。






土方忠夫さんの畑で採れた里芋は、畑の納戸の地下室で保存されていました。






親イモや子イモ(子頭)、孫イモ(里芋)が、ひとかたまりになって保存されていて、出荷の際、キレイにして袋詰めするそう。






明るいところでみるとこんなかたまりに。
親イモ、子イモ、孫イモのかたまり。






同じく地下には、京芋や八頭(ヤツガシラ)の姿も。写真は京芋。


「Let’s cooking!」の巻 part.2




さて、そんなくにたち産の里芋を使っての美味しいメニュー。今回ご協力いただいたのは、国立市中1丁目にある飲食店「circus」のセキグチテルヨさんに「里芋のポタージュ」のレシピをいただいてきました。

クリーミーでやさしい味わいに、ほのかに和の空気を感じるこの一品。そのかくし味の正体は、お味噌が入っているから。
彩りに柚子の皮がちりばめられているのも素敵でした。
ぜひ、みなさんもご家庭でお試しください。(レシピはこちらからどうぞ


【皮のむき方・時短テク】
熱湯で3分ほど茹でると、外皮だけがつるんとむけます。
手がかゆくならないし、ぬめりも残るのでとっても簡単な時短テク。
※電子レンジでチンするというひとも。

時短テクをしたあとに、
煮物を作る際には、予めしっかり茹でておくと味も染み込みやすくなり、煮汁の色が濁りません。


(文:さとうひろき/写真:ながむらゆうこ、さとうひろき)