Vol.5 多摩の伝統春野菜 のらぼう菜

のらぼう菜という春のお野菜をみなさんはご存知ですか?知名度は少しずつ高まってきていますが、まだまだ知られているのはごく一部のよう。スーパーなどではなかなか並ぶことのないのらぼう菜は、主に直売所で販売される人気もの。今がまさに旬なので今月はこの「のらぼう菜」について一緒にみていきましょう!

のらぼう菜は秋撒きの野菜で3月半ば頃から採れはじめます。見た目は、かき菜と似ていますが、かき菜に比べ、のらぼう菜の茎は太く、茎に甘味があります。収穫時期に違いもあり、かき菜のほうがのらぼう菜に比べ、1〜2ヶ月ほど早い時期に採れはじめるそうです。

のらぼう菜とは

のらぼう菜は菜の花の一種で、アブラナ科の野菜。アブラナ科には他に、大根、カブ、ブロッコリー、キャベツ、水菜、小松菜、白菜・・・と、たくさんの野菜が属しています。これらの多くが、地中海から西アジアにかけた地域から中国を経て渡来したものとされ、のらぼう菜もまさに!といいたいところですが、実のところはっきりしていません。わかっていることは、江戸時代に、東京西多摩 あきる野・五日市周辺で栽培が広まり、天明・天保の飢饉の際にこの菜花のお陰でこの地域が救われたということ。今では、東京都あきる野市五日市で、春の訪れを告げる特産の地野菜として知られています。

『明和4年(1767)9月、幕府の関東郡代・伊奈備前守(カントウグンダイ・イナビゼンシュ)忠宥(タダオキ)により、闍婆菜(ジャバナ)の種を五日市の名主に配付し、採油用や救荒作物として栽培を奨励しました。天明・天保の飢饉の際、この菜花のおかげでこの地域の住民が救われたという碑も残っている。その後いつのまにか「のらぼう菜」と名を変えて、東京都あきる野市日の出町を中心とした東京西郊から埼玉県飯能市などに伝わりました。(分布範囲は南は神奈川県川崎市多摩区菅地区 から北は埼玉県比企郡ときがわ町大野地区あたりまで) 』 ※お野菜Who’sWho 野口種苗、五日市のらぼうより引用
のらぼう菜のおかげで五日市の住民が救われたという内容が記された碑が、 あきる野市日の出町小中野の子生神社に現存しています。

谷保でも育ってます!のらぼう菜

谷保の農家さんでのらぼう菜をつくっている、杉田重明さんと鈴木政久さんにお話を伺ってきました。杉田重明さんは家業を継いで31年目の2代目。鈴木政久さんは13年目にして15代目。どちらも8月15日前後に種を育苗、10月前半に畑に移し、3月上旬から収穫が始まります。農薬は一切かけずに育てるお二人の のらぼう菜。今年は、寒い日が続いて、伸びが遅いと思ったら、ここに来て暖かい日が続き、一気に伸びはじめて収穫が大変だとおっしゃっていました。
そして、気になるのは農家さんの食べ方。おひたしやからし和え、天ぷら、かき揚げにして食べるよ と教えていただきました。
鈴木政久さん、杉田重明さんの のらぼう菜は、谷保駅近くのJA富士見台支店駐車場で月曜日、金曜日にお買い求めいただけます。(4月~10月:15時~/11月~3月:14時~)

鈴木政久さん(左)、杉田重明さん(右)
鈴木政久さんの畑にて撮影。
「暖かくなって、一気に伸びてきてさー」と、鈴木政久さん。 撮影にお邪魔した日はちょうど即売日。 お昼を食べる間がないほど、袋詰めなどの準備に大忙しでした。

「Let’s cooking!」の巻 

上には、ポーチードエッグが添えられているこのお料理。 まずは、タマゴは割らずに、お召し上がりください。 ほんのりからしの効いたのらぼう菜には甘みもあり、絶品! 次に、上に乗っているタマゴを割って、からめてみてください。ね、ほらっ。また、味の印象が変るでしょう? ひと皿で2度おいしい、素敵なお料理で嬉しくなりますね。

今回は、今までと趣向を変え、編集部さとうが飲食店さんにのらぼう菜を持参して、一品つくってください!とお願いしてレシピをいただいてきました。のらぼう菜をどうやって食べたらいいかわからないという、そこの奥様!必見ですよ!

ご協力くださったのは、国立駅南口、「和食屋 みやはん」(国立音楽大学附属幼稚園近くのビル2階)。 オーナー 宮寺利昌さんにつくっていただいたのが『のらぼう菜のからし和え』です。

春の訪れを、視覚でも味覚でも感じることができる幸せ。 ぜひ、みなさんも、このレシピ(※レシピはこちらから)を元につくってみてください。ほかにも、のらぼう菜のおいしい調理法があれば、ぜひ編集部まで。

(文/写真:さとうひろき)