Vol.18 佐伯さん一家のすこやか野菜

朝日を浴びた直売所の野菜

行列ができる直売所

午前7時。さくら通り、第二中学校の向かい側にあるログハウスのかわいい直売所。
毎週土曜日、佐伯さん一家の直売所には、朝日をキラキラ浴びて野菜が並びます。
早い人は開店前から並んで、開店と同時にたくさんの人だかりができ、入れ替わり立ち替わりお客様がやってきて、次々に野菜が売れて行きます。
一人当たりのお買い物の所要時間は3分くらいでしょうか。犬のお散歩の途中、朝の公園での体操の帰り、遠方から車で来る人、20年来の常連さん、中には、まとめ買いする飲食店の人も。お店は売り切れご免で、野菜が無くなり次第閉店です。

 

散歩の途中にお買い物

週に一度のおたのしみ

この日、店頭に並んでいた野菜は、のらぼう、小松菜の菜花、九条ネギ、大根菜、ほうれん草、高菜、ブロッコリのわき芽、かぶ、八頭の子と9品目。直売所の裏にある畑で採れた旬の野菜が、週替わりで登場します。
佐伯さんの畑では、店頭に並ぶ野菜の数が多くなるように、また、できるだけ長期間並べることができるように、植え付けの時期をかえたり、同じ野菜でもマルチやトンネルを使って収穫期をずらしているのだそうです。
例えば、「ネギ」は「ネギ」でも、異なる品種のものを次々楽しめるように、収穫期の異なる品種を育てます。一条ネギ、深谷ネギ、九条ネギ、分けネギ。これらは種まきの時期は同じでも収穫期がずれるので、週代わりで異なる品種のネギが店頭に並ぶという訳です。
お客様がみなさん口を揃えて「週に一度、ここで旬の野菜を買うのを楽しみにしてるんです」とおっしゃるのも、うなずけます。

佐伯さん一家 写真左から、息子の昭さん、お母様のトシ江さん。娘の恵子さんと旦那様の直喜さん。お父様の昭二さんが体調を崩された2年前から、昭さんと恵子さんご夫婦がお手伝いしている。

 

気持ちのいい人たち

「野菜なら近くのスーパーでも毎日売ってるのに、どうして週に一度だけの佐伯さんの直売所に、わざわざ早起きして野菜を買いにくるのですか?」とお客様にお聞きしたら、
「だって、安くて新鮮で安心でしょう。地産地消っていうのかな。なんといっても(佐伯さんのご家族が)気持ちのいい人たちだし、野菜のおいしさが違いますよ」と返ってきました。
たしかに、野菜は前日の夕方収穫したものが翌朝商品として店頭に並ぶから、採れたてで新鮮。販売中も店頭の様子を見ながら、裏の畑から追加で収穫して補充しています。そして、佐伯さん一家は、みなさん明るく朗らかで、特に恵子さんとお客様の会話はテンポがよくて軽快。お客様のおっしゃるように、直売所の活気のある空気感が清々しく気持ちがいいのです。
「お久しぶり、元気?」「この野菜は何?」「この前買ったのらぼう、美味しかっでしょう?どうやって食べた?」

恵子さん曰く、「直売所はお客様との情報交換の場ね。特に私はお料理が好きだから、おいしいレシピをお客様に教えてあげるようにしてるのよ。それも3分でできるような簡単なものね。だって、難しいレシピじゃ覚えて帰れないし、作りたくなくなっちゃうでしょう。わたしのほうもお客様にどうやって食べるのか教えて頂くこともあるし、楽しいのよ。」とのこと。

恵子さんから教わったブロッコリのわき芽のゴマ和え。簡単手間無しでおいしい! 恵子さんから教わったブロッコリのわき芽のゴマ和え。簡単手間無しでおいしい!

 

恵子さんの簡単レシピ

そんな、恵子さんの野菜をおいしく食べる簡単レシピは、短いお買い物の会話の中で、すぐ覚えられるものばかり。ご自身が作ったお野菜だから、どんな料理にしたらおいしいのか、誰よりも良くご存知のはず。これなら、家にある調味料でパパっと出来そう。目の前にある野菜を買って試したくなります。 
たとえば、この日お店に並んでいた野菜でお聞きしたレシピは、次のとおり。

[高菜]
ザク切りにして熱湯にくぐらせてから、塩をふってタッパに入れて少し置くだけでおいしく食べられるわよ。高菜のちょっとクセのある味がまたいいの。しょうゆは先にかけると葉の色が悪くなるから、食べる直前にかけて食べてね。
[ブロッコリのわき芽]
うちの野菜はどれもそうだけど、採れたてでやわらかいから、ブロッコリも茹ですぎないのがポイントね。さっと茹でてゴマ和えにしたら最高よ。
[カブ]
カブはね、ベーコンと一緒にコンソメスープにするといいわね。葉っぱも入れると彩りもいいしね。他にもお味噌汁にもいいし、おしんことか塩漬けとかにも合うわね。
[八頭の子]
小さくて皮むくのたいへんだから、ボウルに水をためて良く洗って泥をおとして、そのまま皮ごと茹でちゃうの。そうすると、皮がつるんとむけるから。お煮染めもいいけど、そのまま砂糖醤油とかゴマ味噌とかつけて食べるだけでおいしいわよ。

畑でスクスク育っているまだまだ小さい春キャベツ。店頭に並ぶ日が待ち遠しい。 畑でスクスク育つ春キャベツ。店頭に並ぶ日が待ち遠しい。

 

早起きは三文の得

私が取材させて頂いた4月初旬の畑では、これからお店に並ぶ予定の野菜がたくさん順番待ちをしていました。キャベツ、わけネギ、スナックえんどう。夏には、えだ豆、からし菜、にんじん。玉ねぎ、大根、里芋などもこれからじっくり育っています。どの野菜もなるべく農薬を使わないようにと、佐伯さんご一家が手間ひまかけて作っている自慢の野菜ばかりです。

早起きしてでもまた、会いに行きたくなる佐伯さんご一家。そして、また食べたくなる健やかでおいしい野菜。次は、どんな野菜に出合えるかな。どんなレシピを教えて頂けるかな。早起きは三文の得とは、今日みたいな日のことを言うんだなと、新鮮なお野菜をリュックに詰め込んで、おいしいレシピをたくさん教わって、ウキウキしながら帰宅した私でした。(文/写真:小林未央)

佐伯昭ニさんの直売所
[営業]毎週土曜日朝7:00〜(売り切れまで)
    ※野菜が豊富な時期は、火曜日10:00〜営業することもある
[住所]国立市富士見台3-24
[電話]042-575-2653
http://kunitachi-agri.jp/shop/